「なぜ6億8000万円が消えたことに気がつかなかったのか」大谷翔平が核心部分に触れる声明を出すもまだ残る疑問点とは?
水原氏は「後でホテルで2人で話したいので今は待ってくれ」と大谷に伝えたため、2人は、宿舎のホテルに帰った後に話し合いを持った。そこで水原氏は「口座に勝手にアクセスしてブックメーカーに送金していたこと」を大谷に告白した。 大谷は「これはおかしいな」と感じたため、すぐさま部屋に代理人を呼び、代理人がドジャース及び弁護士に連絡を入れ、弁護士が「これは窃盗と詐欺だ」と判断したという。つまり矛盾していた2つの話の後から出てきた方が真実だったのだ。 では、大谷が質疑応答に応じなかったことで残った疑問点はどこか? ひとつは、水原氏がどうやって大谷の口座にアクセスしたかという問題だろう。大谷に思い当たる節はなかったのかどうか。経済誌「フォーブス」によれば、高額な電信送金には、法的文書などの複雑な手続きが必要で「他人の口座から何か月にわたって450万ドル(約6億8000万円)もの送金を行うことはほぼ不可能だ」という。さらに、もし水原氏が、最初にESPNに語ったように「50万ドル(約7500万円)の送金を8、9回にわけて行った」とすれば、なぜ大谷は異常に減っていく銀行口座の残高に気がつかなかったのかという点も疑問だ。口座の管理を代理人事務所に任せることはしていなかったのだろうか。 そして単なる通訳だけではなく運転手やトレーニングの相手も務め、もちろん食事やプライベートの買い物など、公私において周囲からは「兄弟」と表現されるほど仲の良かった水原氏が、2021年から手を染めていたという違法スポーツ賭博や借金苦の状況になぜ気がつかなかったのだろう。それほど、水原氏が巧に嘘をつき大谷に感づかれないようにして付き合っていたのだろうか。 「正直、ショックという言葉が正しいとは思わないですし、それ以上の、うーん、うまく言葉で表せない感覚で、この1週間くらいは過ごしてきたので、今は、それをうまく言葉にするのは難しいなと思っています」 大谷の話から察するに、だからこそなおさら裏切られた感が強かったのかもしれない。 そして450万ドル(約6億8000万円)の返済を大谷は水原氏にどう求めるのか。今回の問題で負ったダメージに関する訴訟などを起こすのか、という問題についても明かされたいない。 また時系列で言うと水原氏がパドレス戦後のミーティングで「私はギャンブル依存症でした。すべてが私の責任です」と吐露した理由は、なぜだったのか。大谷の話からすれば、代理人もドジャースもすべてがそれまで騙されていたことになるが、このタイミングで、まずチームオーナーが「今日はネガティブな話がある」と切り出して、水原氏にスピーチをさせた経緯も謎のままだ。これは大谷が明かす話ではなく球団サイドが説明しなければならないだろう。 大谷が会見の最後に話した「気持ちを切り替えるのは難しいですが、シーズンに向けてまたスタートしたい」という思いをファンも応援している。すでに始まっているMLBや当局の捜査の行方にも注目が集まる。
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