「便の色」でわかる健康のサイン… 緑・赤・黒、それぞれの意味とは
食事中に好まれる話題ではないけれど、人間はみな排便をする。トイレ事情を口にするのは現代でもややタブー。でも、便の色と質感からは、その人の健康状態の多くが分かると言われているので、便が緑色っぽいときは少し不安になってしまう。 【写真】便秘になったら避けて!腸の動きを鈍らせる7つの食品 実のところ、便がオリーブ色やライム色、エメラルドグリーン色になる理由は意外と多い。そこで今回は、緑色の便が何を意味しているのか、問題となる便の色を解説します。 ※この記事は『Prevention』からの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。 ※この記事は、診断の代わりとなるものではありません。症状について不安がある場合には、必ず医師または資格を有する医療従事者の助言を仰いでください。
便が緑色になる理由
▼緑色の食べ物 これは便が緑色になるもっとも一般的な理由。「緑色の便が出るのは通常、緑色の葉物野菜を大量に食べたときです」と説明するのは、ニューヨークを拠点とする消化器内科医のニケット・ソンパル医学博士。ロサンゼルスの消化器内科医、ウェンディ・ルブレット医学博士によると、葉物野菜(ホウレン草、ケール、チャード)に加えて、アスパラガス、抹茶、ピスタチオ、緑の着色料を含む食べ物も、高用量で摂取すると、便を緑色にすることがある。 ▼胆嚢の問題 胆汁は普段胆嚢に蓄えられているので、胆嚢がなくなると居場所を失くす。そのため、ルブレット医師が言うように、胆嚢を摘出した人は緑色のゆるい便が出ることも。「これは、余分な胆汁が消化された食べ物に混ざり、便の通過を早めるからです」 ソンパル医師によると、この可能性があるときは「辛抱強く待ちましょう。胆汁の量が増えたことに腸が慣れ、上手く吸収できるようになれば、自然と改善することが多いですから」。回復中は体調に気を配り、医師と連絡を取り合って。また、便の着色が8~10週間以上続く場合は、必ず医師に連絡を。 ▼感染症 腸に影響を及ぼして、下痢を引き起こすような感染症も便を緑色にする。「サルモネラ菌、大腸菌、クロストリジオイデス・ディフィシル菌などの細菌、ウイルス、ジアルジアなどの寄生虫による感染症は、下痢や排便回数の増加を引き起こすことがあります」とソンパル医師。「この場合は便の動きが速いため、もともと(黄色~)緑色の胆汁が茶色になる時間がありません」。ソンパル医師によると、この場合は早急に医師の診察を受け、根本的な原因を特定したほうがいい。
問題となる便の色
▼赤い便 腸の後半(通常は大腸か小腸の出口付近)に出血がある可能性を示しているとルブレット医師は指摘する。ビーツ、赤いゼリー、クランベリーを最近食べたわけではないなら、いますぐに病院へ。 ▼タール状の黒い便 腸の上部(胃か小腸の入口付近)で出血が起きているサインかもしれない。ルブレット医師によると、血液は腸内を移動するうちに黒くなるそう。「最近は若年性大腸がんが増えてるいるので、消化管出血が懸念される場合は、必ず医師の診察を受けてください」 ▼白い便 胆汁の流れが阻害されていることを示すサインかもしれないので、ルブレット医師いわく、やはり医師の診察を受けるべき。