「ココア」の知られざる健康効果が新たに判明! “ストレスによるドカ食い”の悪影響を軽減
イギリスのバーミンガム大学らの研究グループは、「脂肪分の多い食事の際に、フラバノールが豊富に含まれているココアを一緒に飲むと、脂肪が血管に与える影響の一部を打ち消せる可能性がある」という研究結果を発表しました。この内容について中路医師に伺いました。 【イラスト解説】ストレスが限界に達したときに出る“6つの症状”
研究グループが発表した内容とは?
編集部: イギリスのバーミンガム大学の研究グループが発表した内容を教えてください。 中路先生: 今回紹介する研究報告は、イギリスのバーミンガム大学らの研究グループによるもので、研究成果は学術誌「Food & Function」に掲載されています。 研究対象となったのは18~45歳の健康な成人23人で、1個67gのバタークロワッサン2個とチェダーチーズ37.5g、牛乳250mLの朝食を摂り、フラバノール含有量の多いココアを飲むグループと、フラバノール含有量が少ないココアを飲むグループに分けました。 その後、参加者にストレスのかかる数学のテストを課し、血管機能と心臓の活動のモニタリングをおこなったところ、低フラバノールのココアと一緒に脂肪分の多い食品で構成された朝食を摂ったグループでは、テストによってストレスがかかると血管機能が低下していました。 この機能低下は、テストから90分後まで続いていたとのことです。その一方で、高フラバノールのココアは血管機能の低下を抑えることが示されました。 高フラバノールのココアを飲んだグループは、低フラバノールのココアを飲んだグループと比べて、ストレステストから30分後と90分後の時点で測定した血管機能が有意に高いことが確認されました。 研究グループは、今回の実験で得られた結果について「フラバノールが豊富に含まれる食品を飲んだり食べたりすることで、不健康な食事による血管系への悪影響の一部を軽減する方法になり得ることが本研究で示されました」とコメントしています。
ココアは体にいい? 栄養素や効果とは?
編集部: 今回紹介した研究テーマとなったココアの健康効果について教えてください。 中路先生: ココアはカカオ豆を原料とする食品で、焙煎・粉砕した後、ペースト状に煮つめ、脂肪分を除いて粉末にしたものです。 ココアは栄養価が高いことで知られており、タンパク質や脂質、糖質だけではなく、カルシウム、カリウム、鉄、ビタミンB2、B6、B12、食物繊維なども豊富に含まれています。 ココアを摂取することで、疲労回復や動脈硬化、高血圧、血栓症、貧血、情緒不安定、便秘、肥満などの予防や解消が期待できると言われています。また、ココアにはポリフェノールも多く含まれているので、細胞の老化や生活習慣病の予防にも効果が期待されています。