韓国ドラマのプロが選ぶ!2023年下半期BEST3
エル デジタルで好評連載中の映画ライター・コラムニストの渥美志保さんが、今年の下半期に日本で配信・放送された韓国ドラマのなかから私的BESTを発表! 【写真】韓国スターが大集結。百想芸術大賞2023レッドカーペットファッションまとめ! ソン・ヘギョ、パク・ボゴムなど
3位 今日もあなたに太陽を ~精神科ナースのダイアリー~
内科から精神科に異動してきた看護師パク・ボヨン(『力の強い女ト・ボンスン』)。その精神科での日々を描いていくわけですが、治療の過程を描きながら、看護師&医師たちと、患者たちが抱えるドラマを、丁寧に、繊細に、優しく拾ってゆくところが、個人的には『賢い医師生活』の精神科&看護師バージョンと言ってもいいんじゃないかなんて思った作品です!ボヨンちゃんは歌いませんけども!
ボヨンちゃんはおっとりした性格ゆえに大忙しの内科で「ダメ認定」され精神科に異動になった看護婦で、なぜ内科で「ダメ」だったかっていうと、一人ひとりの患者の苦しみを放っておけなくて、「てかボヨンがノロノロやってるせいでこっちの仕事増えちゃうんですけど!」みたいに言われちゃったからなんですね。
でも精神科の患者たちは色んな事情を背景に病気になっちゃっていて、例えば「長年母親にイヤだと言えない双極性障害」とか「会社に行くと起こるパニック障害」とか「親が期待が重ぎて妄想の世界に現実逃避」とか、治療法はそれぞれにまったく違うわけで、ボヨンちゃんは自分の場所を見つけていくわけですが!もちろん「いつもあなたに太陽を」ってわけにはいかなくなってくるんですね…
ドラマはボヨンちゃんの周りの人間関係も描いていくわけですが、最高なのがボヨンちゃんのことを好きになっちゃう肛門科の先生ヨン・ウジンです。マニアックな話で恐縮ですが、私にとってヨン・ウジンは『烏鵲橋(おじゃっきょ)の兄弟たち』のおちゃらけ四男、つまりめっちゃ笑いが取れる人で、『39歳』とか見た日にゃ個人的には「こんなジワーっとどっちつかずの二枚目とかやっとる場合か!」と思ったわけですが、大学首席卒業なのになぜか肛門科を選び、癖の指ポキポキで指が太くなってしまい患者から嫌がられ、犬並みの嗅覚でよもぎ餅が大好きという、意味不明な設定をすべてぽわーんとした笑いに包んで送り出す、あんたに求めてたのはそれだ!!と叫びたくなる役になっています!恋のライバル幼馴染のチャン・ドンユン(『ノクドゥ伝』)も可愛いんだけど、年の功には敵いません!