韓国ドラマのプロが選ぶ!2023年下半期BEST3
悪人が一人もいない医局内のメンバーもすごくよく、例えば貧困家庭に育ち母親に金を全部使われちゃってるエース看護師イ・イダム(『工作都市』)への、お坊 ちゃま医師チャン・ユル(『マイ・ネーム 偽りと復讐』)の無償の愛情とかもう最高です!チャン・ユルってクレイジーな悪役ばっかりやってきた俳優ですけど、こんな優しい役もハマることにびっくり!そして貫禄の看護師長イ・ジョンウン(『椿の花咲くころ』)の精神を病んだ妹への愛情もめっちゃ泣かせます!どの国でもそう言うところはあると思いますが、心の病を抱えた人は多くの偏見と差別に苦しんでいて、このドラマではそれを真正面から、でも優しさとともに描いているんですね!ドラマの中で「パニック障害の発作ってこういうもの」というのを、健常者が疑似体験する方法がでてくるんですけど、これ簡単なんで皆さんぜひやってもらいたい!マジで苦しくて死ぬかと思いました!ともあれ、年末に心あらわれるような作品になってますので、未見の方にはぜひぜひ見ていただきたいです!! ※Netflixにて独占配信中
2位 悪鬼
韓国ホラーと言うと「ゾンビもの」と思われがちですけど、多分一番多いのは「広い意味での宗教モノ」じゃないかと私は踏んでいます。最近は「宗教カルトもの」ってのも多いですけど、私が洋を問わず一番好きなのは「土俗信仰」「シャーマニズム」で、「ホラーとか興味無いんで解説とかいらないんで」と思っている皆さんの意向を完全に無視して解説すると、欧米で言えば「ブードゥー教」、日本で言えば「恐山信仰」、韓国では「巫堂(ムーダン)」です。『悪鬼』はまさにそういう系の、オカルトホラーなのです!熱弁すぎるだろ!
主人公のキム・テリ(『二十五、二十一』)は、アルバイトで食いつなぐ貧しい母子家庭育ち。ある日、「死んだ」と聞かされてきた父親チン・ソンギュン(『悪の心を読む者たち』)がほんとに死に、葬儀でその実家を尋ねることに。そこで遭遇した民俗学の研究者で霊能力を持つオ・ジョンセに、父親がある「最強の悪鬼」に呪い殺された、自分の母親もかつてそいつに殺された、そしてそいつは今、あんたに取り憑いている、なんてことを聞かされます。そんなん信じられまっかいなと一蹴したテリですが、やがて彼女の周囲で次々と「自殺を装った殺人事件」が起こり始めます。二人は「最強の悪鬼」を祓うために、もとは人間だった悪鬼の正体と、悪鬼になっちゃった理由を探ってゆくんですが!