イスラエル前国防相が戦時内閣離脱、ネタニヤフ政権に痛手
Maayan Lubell [エルサレム 9日 ロイター] - イスラエルのガンツ前国防相は9日、ネタニヤフ首相が率いる戦時内閣からの離脱を表明した。パレスチナ自治区ガザへの対応方針を巡る対立が理由とみられ、ガンツ氏の中道政党「国家団結党」も連立政権を抜けることになる。 ガンツ氏は先月、ネタニヤフ氏に対して6月8日までにガザの戦闘終結後の統治計画を策定するよう提案したが、ネタニヤフ氏側がこれに応じなかった。 こうした中でガンツ氏は、ガザになお人質が残り、兵士が戦いを続ける中で退場するのは苦渋の決断だとしながらも「ネタニヤフ氏はわれわれが本当の勝利に向けて前進するのを阻んでいる。だからわれわれは心が重いながらも完全な確信を持ち、戦時内閣を去ろうとしている」と語った。 国家団結党はネタニヤフ政権を支える唯一の中道政党だっただけに、政権運営の面で痛手は大きい。今後政権は極右勢力への依存度が高まり、米国との緊張が拡大する恐れもある。 ガンツ氏はネタニヤフ氏に、国家の緊急事態下でこれ以上政治対立が悪化するのを防ぐため、秋に総選挙を実施することに同意するよう呼びかけた。