日本初上陸のマッチルーム賞金総額2億円ミドル級トーナメントで勝利した日本人ボクサーが2人で合わせて破格の約5300万円をゲット!
優勝に照準を絞っている竹迫は、「コンウェイはスーパーミドル級くらいに体がでかいなと思った。ただバテやすく、単発が目立った。マッケンナは、チラホラと目が合う度に気合の入った眼差しを送ってくる。会見で侍スピリッツが好きだという話をしていたが、その通りのファイトをしていた」との印象を口にした。 大和大学内にある会場の大和アリーナは、昨年開業した空調のよく効いたピカピカの施設。3つのスクリーンが設置され、モノトーンの照明にも凝っていて洒落た花道が作られた舞台は、国本が「DAZNのマークもあり海外風でテンションが上がった」というほど立派なものだった。 欧米では、DAZNがライブ配信。試合後のリング上のフラッシュインタビューには通訳が付いて英語で訳された。英大手プロモート会社「マッチルーム」の初上陸にふさわしい空気感は作った。だが、悲しいかな、約3000人収容で設営準備された観客席は、3割程度の入りしかなかった。しかも、プロ興行ではありえないが、観客数も主催者側から発表されなかった。破格の賞金とのギャップがあまりにも激しかった。 マッチルームや楽天チケットがどう評価したかわからないが、この日1日だけで見れば、興行的には失敗だろう。 竹迫にガラガラだった会場について聞くと「せっかく大きな賞金を出してもらったので、なんとかチケットを自分でも売りたいと思っていたが、試合に集中したのであまりできなかった」と、自身で集客できなかったことを反省していた。 しかも、配信全盛時代に国内配信&放送はなし。「カメラ撮影、動画撮影は自由です。SNSなどで、どんどん拡散して下さい」と異例の場内アナウンスが繰り返し流された。 広報宣伝がほとんど行われていなかったという営業のミスもあるが、マッチルームが、セレクトした海外の5選手は、ほぼ無名。格闘技方式で、それぞれの選手のエピソードを掘り下げて紹介するような集客のための事前のプロモーションもなかった。 会場にいた元世界王者の1人は「マッチルームも世界を狙えるような本物の世界ランカーは呼んでいなかった。第2試合の2人(マッケンナ対ジョバニー・エステラ)は8回戦レベルの選手だった」と厳しい意見を口にしていた。 イベントの発足会見ではマッチルームのフランク・スミスCEOは、「日本の若いファイターを育てていきたい。未来の井上尚弥を発掘したい」とのコンセプトを口にしていたはずだが、若手発掘につながるようなアンダーカードも組まれなかった。10月の次戦に向けて多くの課題を突きつけられたマッチルームの日本初上陸イベントとなった。 (文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)
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