【毎日書評】今日頼まれた仕事は明日やる!余白をつくる仕事術「マニャーナの法則」を実践する方法
「仕事術やタイム・マネジメントの本で紹介されている手法を試してみたものの、思っていたほどの効果が得られなかった」 そんな方は、決して少なくないかもしれません。『仕事に追われない仕事術マニャーナの法則・完全版』(マーク・フォースター 著、青木高夫 訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者も、その点は同じだったようです。 タイム・マネジメントが苦手で“仕事術の達人”にはほど遠い人間だったため、やがて「そもそも仕事術や時間管理が得意な人がやっている方法は(そうしたことが苦手な私には)役に立たない」と考えるようになったというのです。 そこで私は、まずは従来の手法の分析に取り組みました。そして、タイム・マネジメントや仕事術が苦手な人でも実行できるテクニックを開発し、提案してきました。 私の手法に取り組んでいただいた方からは、大きな反響がありました。(「はじめに」より) つまり本書には、それらのテクニックが網羅されているのです。具体的には、第1部で「タイム・マネジメントの基本的な考え方」が解説され、第2部で本書の軸でもある「マニャーナの法則」「WILL DOリスト」を中心にさまざまなアイデアが。そして第3部では、「ダッシュ法」など“さらに発展させたアイデア”が明らかにされます。 したがって読者は多角的に、効率よく、仕事とタイム・マネジメントのシステムを理解することができるわけです。 きょうはそのなかから、第2部の核心部分ともいえるCHAPTER 09「究極の仕事術『マニャーナの法則』をクローズアップしてみたいと思います。「マニャーナ(manana)」とはスペイン語で「明日」という意味。つまり「明日やる」を基本にすることで、仕事を完全に終わらせる方法なのだとか。
「マニャーナの法則」とは?
端的にいえば、以下の2つの原則が「マニャーナの法則」なのだそう。 原則1 新しく発生した仕事は「明日やる」を基本にする 原則2 クローズ・リストを使う (148ページより) 「マニャーナの法則」の根底にあるのは、「明日まで待てないほど、緊急な仕事はない」という考え方。「1日に発生する仕事を集めて、必ず次の日にやる」というスタイルなのです。いいかえれば、常に仕事に1日分の「バッファー・ゾーン」を設けるということ。具体的には、以下の3ステップになるようです。 ステップ1 今日、新たに発生した仕事を集めておく ステップ2 仕事を類別する ステップ3 類別した方針に従って、翌日まとめて処理する (148ページより) このように、メールや電話のメッセージ、書類を翌日に集中して処理するという考え方。同時に、すぐ処理できない手間のかかるタスクは細分化して管理するのだそうです。具体的な方法を確認してみましょう。(148ページより)