【長期レポート】ホンダZR-Vの「ターボ+4WD」モデルで純エンジン車ならではの走り。それでいて実用性も高い<第4回 Z 4WD編>
4カ月連続テストの最終回はZ 4WD
クルマは長く乗れば乗るほど見えてくるものがある。今回はMotor Magazine誌で掲載した長期レポート「ホンダZR-V」を紹介していこう。4モデルを1カ月ごとに1台ずつ試乗し、その乗り味や魅力を確認する連載企画の第4回は、Z 4WDだ。(Motor Magazine 2023年12月号より) 【写真はこちら】荷物の積み下ろしはらくらく。キャンプや車中泊などアウトドアでもアクティブに使えるSUVだ(全10枚) ZR-Vの長期テストも今回で最後となる。第4回目のレポート車は、1.5L直4直噴ターボを搭載する上級グレードZの4WDモデルだ。ターボエンジンと4WDの組み合わせはどんな走りを見せてくれるのか。1カ月間乗ってみたらどんな魅力を感じるのか。今月はイベントの取材にも稼働して、ZR-Vの使い勝手の良さを再認識することができた。 前回のe:HEV Z 4WDに続き、今回はガソリンターボのZ 4WD。この2台、グレードはどちらも上級のZなので、違いはパワートレーン。Z 4WDに搭載されるエンジンは、1.5L直列4気筒ターボのL15C型。エンジン自体はシビックに搭載されるものと同じだが、レギュラーガソリン仕様となり、最高出力178ps、最大トルク240Nmというスペックとなる。 駆動方式は四輪での駆動を基本としたリアルタイム4WDを採用。車両重量は1540kgで、前回のe:HEV Z(1630kg)より90kg軽い数値だ。 2種類のパワートレーンを用意するZR-Vでは、どちらが良いのか、悩んでいる人も多いだろう。実際の販売比率はe:HEVの方が高いそうだが、このガソリンターボは、ホンダらしくトップエンドまで気持ちよく吹け上がるエンジンとしても定評がある。 また、同エンジンを搭載するシビックに比べて車両重量が重くても、低回転から立ち上がるトルクで力不足は感じない。エンジン車ならではの良さを味わいたいならば、こちらにも大きな魅力がある。
純ガソリンエンジン車らしいスポーティな走り
4台目ともなると、運転席からの景色も見慣れたもの。しかし今回のグレードZは内装色がブラックなので、前回乗っていたマルーン内装色とはインテリアの雰囲気が異なる。またハイデッキセンターコンソールには、セレクトレバー(e:HEVはスイッチ式)が生えているのも新鮮だ。 さらに4WDのみの装備として、熱線入りフロントウインドウ、フロントドア撥水ガラス+親水/ヒーテッドドアミラー、リアシートヒーター(左右)までもが用意されている。 上級モデルとなるZの装備をあらためて確認すると、ホンダコネクトディスプレイ+ETC2.0、BOSEプレミアムサウンドシステム、電動調整式(前席)の本革シート、本革巻きハンドル、自動防眩ルームミラー、ステンレス製スポーツペダル、メタル製パドルシフト、パーセルカバー、マルチビューカメラなどといった装備が標準となる。 今回の試乗でもまず感じたは、4WDによる走りの安定感。しっかりとしたボディのZR-Vは常時全輪駆動によって直進安定性も上がり、それでいて高いシャシ性能によるコーナーでのライントレース性など、基本的にスポーティな性格はZR-Vに共通しているようだ。 またガソリンターボモデルでは駆動方式を問わず、Zグレードにのみパドルシフトが用意されている。そのため、ドライブモードをスポーツに変更すれば、マニュアルモード固定でパドル操作で好きなタイミングでシフトチェンジができるから、エンジン車らしいスポーツドライブが楽しめる。
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