70歳代夫婦「団塊世代の私たち。周りは貯蓄3000万円超えの声もちらほら…」同世代の貯蓄事情を知りたいです!
「老後にいくらお金が必要なのかわからない」「今から何をしていけばいいのか」 ファイナンシャルアドバイザーの筆者は、このようなお悩みをきっかけに資産運用のご相談をしてくださるみなさんから、色々なお話を伺っています。 ◆【写真4枚を見る】「70歳代・二人以上世帯の貯蓄額」&「厚生年金と国民年金」の受給権者数を1万円刻みで見る!(出所:厚労省など) 「リタイアまでに2000万円を準備すれば問題ない?」「新NISAを活用して投資を始めてみよう」など、様々な視点から、ご自身の資産と将来について、長期的なプランを作ろうと考えていらっしゃる方が多い印象ですね。 では、実際に2000万円の貯蓄があれば老後は安泰なのでしょうか。老後資金準備のために今からできる手段は新NISAだけなのでしょうか。 そもそも必要となる老後資金は人それぞれですから、ひとことで「いくら必要」と断言することはできません。また昨今のような止まらぬ物価や、株価の急落など、個人の努力ではどうにもならない環境の変化が起こることも想定しておく必要があるでしょう。 働き盛りの現役世代が、老後を見据えたマネープランを立てるとき、今のシニア世代のお金事情を知ることは何らかのヒントになるはずです。 そこで今回は、70歳代のお金事情を深掘り。かつて話題となった「老後2000万円問題」を無理なくクリアする「貯蓄3000万円以上を持つ世帯」の割合をチェックします。 また、いまの年金世代が実際に受け取っている年金額データも整理してご紹介。最後までじっくりとご覧ください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【70歳代・二人以上世帯】貯蓄3000万円以上をクリアする世帯は何パーセント?
●【70歳代・二人以上世帯】の貯蓄3000万円の割合 ・19.7% ●【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値 ・平均:1757万円 ・中央値:700万円 ●【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額一覧表】(金融資産を保有していない世帯を含む) ・金融資産非保有:19.2% ・100万円未満:5.6% ・100~200万円未満:5.1% ・200~300万円未満:4.3% ・300~400万円未満:4.7% ・400~500万円未満:2.5% ・500~700万円未満:6.2% ・700~1000万円未満:5.8% ・1000~1500万円未満:10.2% ・1500~2000万円未満:6.6% ・2000~3000万円未満:7.4% ・3000万円以上:19.7% 最初に、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」から、70歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認していきます。 このデータは金融資産を保有していない世帯、つまり貯蓄がない世帯の回答も含まれています。 70歳代・二人以上世帯の貯蓄平均は1757万円。2000万円の大台にあと少しで手が届く金額でした。ただし、より実態に近い中央値を見ると700万円。平均と中央値の差は2倍以上ありますね。 また「貯蓄3000万円以上」が19.7%いる一方で「貯蓄非保有」が19.2%。ほぼ同じ割合で存在しています。「持つ世帯」と「持たざる世帯」の二極化が見て取れる結果となりました。 現役時代から続けてきた貯蓄の成果が出ている、定年まで勤めあげて退職金が入ったといった世帯が一般的かもしれませんね。中には、親族からの相続や贈与で貯蓄額が増えたというケースもあるでしょう。 資産状況には個人差がありますが、上記のデータを見る限り、70歳代の二人以上世帯「貯蓄3000万円」を難なくクリアできる世帯は決して多数派ではないことがわかります。 さて、老後の暮らしを支える柱となるのは、多くの世帯にとっては公的年金。リタイヤ後の年金生活では、現役時代よりも少ない収入でやりくりする世帯がほとんどでしょう。 次では2024年度の公的年金額に関するデータを整理してお伝えします。