「挫折を挫折と考えない」アビスパ福岡・奈良竜樹が中学生に講演 例に出した「コップの水」論 ド直球質問も
J1アビスパ福岡のDF奈良竜樹(31)が9日、福岡市の警固中で1、2年生約300人に講演し、体験談を交えながら生徒たちの〝人生相談〟に答えた。 ■全治約1年、頼りになるDFも復活の始動【写真特集】 昨秋から自身が続ける地域貢献活動「ROOT PROJECT」の一環。生徒から高校受験先や移籍先を決める際に大切にしたことを問われると「そのときによって違うけど、大事なのは自分の意思で決めること。いろんな失敗をしたけど、自分で決めたら全部経験になる。自分の心に従って道を決めてほしい」と呼びかけた。 「挫折や苦しい経験をどうやって乗り越えられたか」という質問には「サッカー人生はほとんど挫折ばかりで、けがもいっぱいしたし、試合に出られなかったり、自分のせいで負けたり。でも大事にしているのは、挫折と考えない」と説明。考え方の例として「コップの中に水が半分が入っていて。半分しか入っていないと思うか、半分も入っていると思うか」と挙げた。 奈良は昨年6月に左膝を手術し、全治10カ月から1年と診断されている。「サッカー選手としたらすごい挫折だし、苦しいことと思う。でも見方を変えたら、この時間でしか自分にできないことがあると思えば、挫折じゃなくてチャンス。みんなもつらいとか苦しい場合があると思うけど、そもそも挫折じゃなくて、新しい物の見方ができるチャンスと捉えられるようになってくれたらうれしい」と説いた。 生徒からは「今の(金明輝)監督と長谷部(茂利)前監督、どっちが素晴らしいですか」という直球の質問も。奈良は「監督って正解はなく、どの監督の自分のスタイルがある。長谷部監督もすごい監督だったし、チームを優勝させてくれた監督で自分もすごく大好き。だけど、新しく来た金監督も、僕はまだ一緒に練習をしていないけど、練習している選手たちはすごくみんな楽しそうで『この練習をやっていればもっとうまくなる』とみんな言っている。だからどっちも素晴らしい」と答えた。 J1川崎時代の2018年に味方GKが退場し、急きょGKを務めた当時の思いも尋ねられ「(相手の)FKをどうやって止められるの?と言われた記憶がある。全部止めたの見ていた?」と逆質問した。対戦相手で1番すごかったFWとして「よく(元川崎の)レアンドロダミアンと言うけど、苦手だったのは(川崎の)小林悠選手や、引退した興梠慎三選手。体の強い選手の方がやりやすいけど、自分の逆をつき、裏を取ろうとする選手は頭が疲れて、良い選手だなと思う」と敬意を示した。 「ROOT PROJECT」はアビスパ福岡が街に根付いてほしいという思いから、サポーターの要望に応える形で、施設訪問やPR活動などを行っている。要望は申請フォーム(https://forms.gle/STPaJY1zR8cUxQ2K8)から受け付けている。 ▼「海外からオファーも」アビスパ福岡・紺野和也がチーム残留を決めた舞台裏▼