老化を防ぎたいならコレに気をつけて。AGEを避ける食事術(専門家が監修)
甘いものに多い果糖がとくにAGEを作りやすいってホント?
糖質の摂りすぎはAGEを溜めやすいが、ことに注意が求められる糖質がある。それが果糖。 糖質とひと口に言ってもいろいろな種類がある。よくよく分析してみると、糖質の性質により、AGEの生じやすさには大きな違いがあるとわかってきた。なかでも体内でAGEをいちばん作りやすい糖質が果糖なのである。 果糖は砂糖の成分。砂糖は、果糖とブドウ糖が結合したものだ。また、英語でフルーツシュガーという通り、果物にも多く含まれている。果糖がAGEを作るスピードは、もっともAGEを作りにくいブドウ糖の10倍にも達するというから看過できない。 果糖は、摂取すると8割ほどが肝臓で脂肪に変わり、脂肪肝に陥りやすい。ただそれは、いわば「肉を切らせて骨を断つ」高等戦術であり、果糖でAGEが増えないように防ぐ防衛反応だという説もある。 果糖は、砂糖や果物ばかりではなく、もっともポピュラーかつ安価な甘味料である異性化糖の主要な成分でもある。異性化糖は、甘い清涼飲料水やお菓子などに幅広く含まれる。これらの過食も体内でAGEを増やすことにつながると覚悟してほしい。
AGEの害を抑える食品があったら教えて
糖化とともに抑えたいのが、酸化。糖化と酸化がタッグを組むと、坂道を転げ落ちる雪だるまのように、体内あちこちにネガティブなインパクトが波及する。 糖化を防ぐため、糖質量や果糖の摂取をコントロールするなら、あわせて気をつけたいのが、酸化ストレスを減らすこと。 糖化と酸化をダブルプレーで封じられたら、そこから生じる炎症もセーブできるから、糖化×酸化×炎症というトリプルパンチによる老化や生活習慣病、シミやシワといったトラブルは回避できる。 抗酸化作用が高いのは、何よりも野菜。ニンジンなど色の濃い緑黄色野菜のβ-カロテン、ブロッコリーやホウレンソウのビタミンCといったビタミンは、抗酸化力が高い。この他に野菜には、トマトのリコピン、キャベツや大根のイソチオシアネートのように、植物が作り出す有用成分フィトケミカルの一種として、抗酸化作用を有するものも少なくない。根菜以外の野菜は総じて低糖質だから、糖化を促す心配もない。 果物にも抗酸化作用を持つビタミンやフィトケミカルを含むものは多いけれど、AGEを作りやすい果糖など糖質も多め。ジュースなどで大量に摂るのは避けたい。