ジェイテクト、近藤禎人社長が登壇する新年合同取材会 ソリューションプロバイダーへの変革に向け「コンシェルジュ」と「番人」をメインドライバーに
ジェイテクトは1月8日、同社取締役社長の近藤禎人氏が登壇する新年合同取材会を実施。2030年に向けた「ジェイテクトグループ2030ビジョン」をもとに、中期経営計画の振り返りや2025年に向けた抱負などを話した。 【画像】第一期中期経営計画の振り返り 会見では、2021年~2023年の第一期中期経営計画について、体質強化の3年と位置づけ、赤字体質からの脱却は完了し、更なる成長へ向けた事業構造転換、欧米構造改革は継続していることを報告。 2024年~2026年の第二期中期経営計画では、既存事業の成長と新規事業の育成期間と定めて、既存製品の高付加価値化の強化、新領域へのチャレンジに取り組んでいるとし、具体的には、付加価値向上と欧米構造改革に注力することでROE・利益率を改善、余力を確保してソリューション創出ヘリソーセスをシフトするという。 そして、新規事業・ソリューションの拡大を軸とした更なる成長を目指す、2027年~2030年の第三期中期経営計画へとつなげていく考え。 「ジェイテクトグループ2030ビジョン」で掲げるソリューションプロバイダーへの変革に向けた取り組みとしては、「ステアリング」「駆動(ドライブライン)」「軸受」「工作機械」といった各事業に紐づく要素技術・要素部品を顧客の要望に合わせて提供してきたものを、R&D、事業開発、グループ会社を含めた豊富なテクノロジープラットフォームへと落とし込む活動を展開。 人材面では、顧客との窓口に「コンシェルジュ」を設置して、顧客の課題を解決するソリューションを組み立てるとともに、同社が“ココプラ”と呼ぶ、「加工」「制御」「DX」「マーケティング」といった現場のコア・コンピタンス(専門能力)をプラットフォーム化、そこに専門能力を掘り出して活性化させる「番人」を設置した。 ■ 顧客との接点「コンシェルジュ」と現場を活性化させる「番人」がソリューションプロバイダーになるためのメインドライバーに 「ココプラ」「番人」といった新たな取り組みについて、近藤社長は「この“ココプラ”というのは単なるナレッジデータベースではなく、会社の中を繋ぐ血液のようなもの。つまりモーターで言うと、今までモーターをやっていながら、知り合えなかった人がみんな集まることで仲間意識が増える。そして、モーターをやっている人たちがコンシェルジェを通じて自分の技術、技能、ノウハウが役に立つ。そしてお客さまは“ありがとう”って言ってくれる。そういう1人1人が自分の持ってる価値を最大限、顧客の皆さんに繋げる仕組みっていうのがこの“ココプラ”になってます」と説明。 その将来像について、近藤社長は「ジェイテクトのメンバー1人1人がいろんな製品を持ってます。それら全てを分類して“番人”にして、そしてその人がお客さまとのニーズをコンシェルズを介して貢献していく。コンシェルジュと番人、この2つのループがしっかりまわるようになると、まさに私が目指す、今風で言うとウェルビーイングで、メンバー全員が活躍し、元気な、しかもそれが最大の価値を発揮する、このスキームが今回、われわれのソリューションプロバイダーになるためのメインドライバーだと認識して、これを非常に大切にしていきたい」との思いを話した。 会見の締めくくりとして、近藤社長は「ジェイテクトはジョイントテクノロジーと言いかえても過言ではなく、何よりも全員がいきいきと活躍できる、そんな会社にすれば、先ほどのココプラを1つの軸にして、一体感を持ってお客さん、社会に貢献できる、そんな会社にしていきたい。私がいつも会社の中で言っている、“Yes for ALL,by ALL!、みんなのために、みんなでやろう”これを徹底的に浸透して明るく仲良く元気な会社にしていきたい」との意気込みを述べた。
Car Watch,編集部:椿山和雄