「ノロウイルス食中毒」おう吐に腹痛、つらすぎる激ヤバ症状 「4つの原則」守るだけで予防できる
2024年12月13日夜、長崎の美しい夜景をのぞむホテルの宴がはじまった。団体客25人は刺身や揚げ物を楽しんだ。しかし、その後、10代から70代の男女9人が、おう吐や下痢、発熱を訴える。客や調理スタッフから、ノロウイルスが検出され、長崎市は食中毒が発生したと発表した。 ノロから身を守る「4原則」とは!? このように、ノロウイルスによる食中毒は毎年、冬場に多くなる。厚生労働省の2019年~2023年の食中毒統計の平均によると、1年間のうち11月から2月までの発生が57%を占める。患者数は年平均4592人。原因別で第1位の40.6%となっている。 ■「持ち込まない」「つけない」「やっつける」「ひろげない」 予防するには何をすればよいのだろう。ポイントは4つある。 「持ち込まない」「つけない」「やっつける」「ひろげない」だ。政府広報オンラインの2024年11月20日付記事「ノロウイルス食中毒の予防4原則」がまとめている。 (1)持ち込まないノロウイルスは非常に強い感染力をもっている。ウイルスがついた手で調理し、汚染された食品を食べて食中毒になる経路が約8割に上る。調理場にウイルスを持ち込まないように、ふだんから感染しないように日々の健康管理を心がける。また、腹痛や下痢があるときは、食品を直接とりあつかう作業をしない。 (2)つけない食品だけでなく食器や調理器具などにウイルスをつけないように、調理をする前に念入りに「手洗い」をする。指輪や時計は外し、せっけんで指の間や親指の周り、手首、手の甲などもしっかりと洗う。ちなみに手洗いの重要性は新型コロナ禍でも強調された。 (3)やっつける食品についたノロウイルスを死滅させるためは、中心温度85~90度で90秒以上の加熱が必要。さらに、包丁やまな板など調理器具は、洗剤でよく洗ったあと、85℃以上の熱湯で1分以上加熱するか、塩素消毒液にひたしてもよい。 (4)ひろげない身近でウイルス感染が発生したときは、感染を広げないように努める。感染者が使ったり、おう吐物がついたりしたものは、他のものと分けて洗浄消毒する。おう吐物やおむつを処理するとき、使い捨てマスクや手袋などを着ける。手が振れるドアのノブも消毒のポイントだ。 ノロウイルスの潜伏期間は24時間から48時間とされる。主な症状は、吐き気、おう吐、下痢、腹痛、37~38度の発熱で、たいてい症状が1日から2日続いたあと回復する。感染がうたがわれるときは迷わず医師や保健所に相談しよう。 12月から1月がピークとなるノロウイルス食中毒。手洗いをはじめとする「予防4原則」を忘れないようにしたい。 (ジャーナリスト 橋本聡)