最高値更新に近づくビットコイン、「マイニング株」も軒並み上昇中
ビットコインの価格は、来週の米大統領選を含む複数の要因の影響を受けて、今年の春以来の最高値に上昇し、米東部時間10月29日午後3時に7万3544ドルに達した。 この上昇により、ビットコインの10月の上昇率は13%に達し、同期間のS&P500種株価指数の上昇率である1%を大きく上回っている。 他の主要なデジタル資産も29日に上昇しており、イーサリアムは4%高で10日ぶりの高値の2637ドル、バイナンスコインは2%高で8日ぶりの高値の608ドル、ソラナは2%高で3カ月ぶりの高値の182ドルをつけた。 一方、ビットコインのマイニングに関わる企業の株価も好調で、ここ1カ月の上昇率はコア・サイエンティフィックが20%高、マラソン・デジタルが17%高、ライオット・プラットフォームズが47%高となっている。 ビットコインが主導する暗号資産の上昇は、複数の要因に後押しされている。ヘッジファンドのビリオネア、ポール・チューダー・ジョーンズなどの投資家は、カマラ・ハリスとドナルド・トランプの両方が、数兆ドルの国家の債務の増加につながると予測される政策を支持する中で、インフレへのヘッジとしてビットコインを推奨している。 さらに、連邦準備制度理事会(FRB)が先月利下げを行ったことで、一部では金融政策がインフレの是正に不十分であるとの疑念も浮上している。安全資産とされる金の価格も上昇しており、9月18日の利下げ以降に6%以上値上がりした。 また、共和党の大統領候補者であるトランプは、ビットコインの推進派としての立場を打ち出しており、ビットコインの価格は、選挙結果に賭けを行うサイトでのトランプの勝利の確率の上昇にも後押しされている。1月に米国の規制当局が承認した現物ビットコインETFも、この市場に活気を与えており、バーンスタインによると、機関投資家からの巨額の資金が流入している。 ブラックロックやフィデリティ、グレイスケールなどの大手が運営する現物ビットコインETFに流入した資金の総額は660億ドル(約10兆円)とされており、世界のビットコインの時価総額である1兆4000億ドル(約214兆円)の約5%に相当する。 ビットコインの価格は、3月に史上最高値の7万3750ドルを記録し、2022年後半の「仮想通貨の冬」の底値から300%以上の上昇を遂げていた。
Derek Saul