雅楽師・東儀秀樹さん「100%信頼してもらえる親でいること」が子育てに最重要です|STORY
将来どうする?思春期のモヤモヤ解消法
――将来なりたいものや、好きなこと、やってみたいことがわからないというお子さんが多いようです。親も一緒にモヤモヤしてしまうことも。解決法や、無我夢中になれるものの見つけ方はありますか? 自分が何に向いているかっていうのは、他人はまずわからないし、自分もわからないです。だから、黙っていたら何も見つけられません。「どうせ楽しいことなんてないさ」って今の子どもたちは決めちゃいがちだけど、キョロキョロしたり出歩いてみると、結構、世の中には色々なものがあるんです。そこで自分が何を感じるかということに焦点を当ててみるといいんじゃないかな。 面白そうなものがあったら、自分だったら楽しめるかな? って、人が楽しそうにしていることを全部自分に置き換えていくと、いつの間にか、やってみようかなって思えるものが非常に簡単に見つかると思うんです。楽しいことって、人から与えられるものではなくて自分が動かない限り出合わないから。逆に、動かないくせに「楽しいことがない」って言っている人はダメダメだと思っています。 ――自分の子だけ浮いてるのでは……? と不安になる親御さんもいるかもしれませんが。 人と違うことをして、「なんだアイツ?」と周りから言われた時こそ、個性があって自由があってメチャクチャ格好いいと思うんですよ。「皆、同じだと安心」という、均一化しようとする教育方法に間違いがあるのであって、ちょっと違うカラーだからと不安になって周りに合わせて自分を殺してしまうのは一番良くないですね。後ろ指を刺されたら、「後ろ指を刺す方じゃなくてよかったね」と、若い子たちに言います。後ろ指を刺される人の方が、もっとワクワク生きるチャンスがあるから。いじめられてる子も、いじめる人のことばかり気にしていると苦しいけど、自分で違う世界に飛び込んでいけば、そこで吹っ切ることもできるんです。とにかく自分で動かなきゃね。 ――興味が湧いた時に、とにかく動いてみるのが大事ということでしょうか? 思った時がやる時です。「あとでね」とか、「またいつかね」って言ってしまうと、その「いつか」が本当に来るのか? ということをいつも気にした方がいいです。それに、すぐ動いてみると、誰も褒めてくれなくても「お、動いたな! 後回しにしない自分っていうのも結構やるじゃないか!」と自画自賛できて、自分のことをもっともっと好きになれるんです。そうすると更に清々しい気持ちになって、もっと動きたくなってきますよ。ただ、何でもかんでも自由奔放にしていいかというと違いますけどね。世の中一人で生きているわけではないから、周りの人を嫌な気持ちにさせないことや、迷惑をかけない上で、というのが大前提ですけど。