アップル、10-12月期に慎重な見通し-中国販売は依然低調
(ブルームバーグ): 米アップルが10月31日に発表した7-9月(第4四半期)決算では、中国での売上高が市場予想を下回った。10-12月(第1四半期)総売上高について慎重な見通しも示し、収入の伸びや競争が激化する中国市場での販売不振に新たな懸念が浮上した。
アップルによると、10ー12月期の総売上高は1桁台前半から半ばの増加率となる見込み。アナリスト予想は7%増収だった。
発表資料によれば、7-9月期の大中華圏の売上高は150億ドル(約2兆2800億円)と、前年同期からやや減少。アナリスト予想の158億ドルを下回った。
全般的にみてこうした状況は、アップルがなお長期にわたる販売不振から回復途上にあることを示している。同社は2023年会計年度に4四半期連続で減収となった後、過去2四半期でようやく手堅い増収に戻ったばかり。株式時価総額は依然として世界一だが、低調なスマートフォン市場や中国での競争激化、世界の規制当局の監視の目にさらされている。
こうした懸念が重しとなり、株価は決算発表後の時間外取引では約2%下落した。
総売上高はスマートフォン「iPhone」の世界的需要に支えられ、6.1%増の949億ドルと、アナリスト予想の944億ドルを上回った。1株利益は97セントだった。欧州連合(EU)司法裁判所の判決に関連する一時的費用を除けば、1株利益は1.64ドルだったという。
だが、同社は自社製品の主要製造拠点である中国で現地ブランドとの激しい競争に直面している。ティム・クック最高経営責任者(CEO)は、iPhone販売がすべての地域市場で伸びたとコメント。米州と欧州に次いで3番目に大きな収入源である中国で、他の製品ラインアップが問題となっている可能性を示唆した。
同社は9月にiPhone 16を発売し、アップグレードを促進。スマートウオッチ「Apple Watch」とワイヤレスイヤホン「AirPods」の新製品も投入した。これらの消費者向けデバイスが同社売上高の大半を占めている。