14歳、史上最年少得点記録を樹立した現役中学生・浅野蓮の夢は「欧州最高峰」 高校はサッカーに専念…フットサルで最後に放つ輝き
“流れ星”の輝きを、世界でも
試合を終えて、監督と共に取材を受けた浅野がゴールを決めた時の気持ちを問われると、ニコニコしながら一言答えた。 「名前が残るから最高です」 喜びをにじませながら、短い言葉を口にする浅野は、試合中と比べて表情もあどけない。受け答えをする浅野を笑いながら見守っていた水戸の緑川毅輝監督が、後から補足してくれた。 「歴史に名を刻むという話はずっとしていました。試合前にもリーグはあと3節で終わってしまうので『その間に決めないと』ということは言っていて。リーグ序盤からチャンスはいっぱいあったので、いつか決めてくれるとは思っていたんですけど、今日の試合でゴールしてくれて良かったです」 浅野が本格的にフットサルを始めたのは、今シーズンからだ。 全国にサッカースクールを展開している「マルバ」を創設した浅野智久氏の息子である彼は、幼い頃からフットサルが身近にあった。とはいえ、サッカーの日本代表を経験した選手でさえ、Fリーグ1年目は苦戦している。中学生が大人のリーグで、しかも競技フットサルがほぼ未経験の状態でプレーするのは、至難の業だと想像できる。 しかし浅野は「戦術とかはあまり覚えていないんですけど、試合中に仲間が教えてくれるから、それでやっています」と、事もなげに話した。事実、この日の試合でもたどたどしさは見えなかった。 なぜ、浅野はこの年で、トップレベルのリーグでも順応できるのだろうか。 緑川監督は、足元の技術が高く1対1で負けないことに加えて「相手を見てプレーする力」が鍵だと説明した。 「リーグ前半は、どうしても大人の選手を相手にフィジカルで敵わない部分もありました。ただ、彼のいいところは、その経験をすべてプラスにして成長できること。強い相手に対して、パワーで戦うのか、戦わないのかといった見極めも試合を重ねるごとに会得しています。なにより、相手の狙いが何なのかを常に探りながら、自分の狙いを出している感じがありますね」 フットサルで才覚を見せた浅野だったが、彼のプレーが体育館で見られるのは残り2試合。なぜなら、中学を卒業すると同時に、高校からはサッカーに専念するからだ。 「4月からはサッカーで、日大藤沢高校にいきます。なので、フットサルは今年で終わり」 高校を卒業する頃には「サッカーのプレミアリーグでプレーしたい」という浅野の選択肢に、現時点でフットサルの道はない。それでも、残りの試合ではさらに名を刻みにいく姿勢を見せた。 「あと2試合も点を取って、できたらハットトリックしたいです」 突如現れ、去っていく“流れ星”のようなフットサル選手は、最後まで貪欲にゴールを目指す。彼がFリーグで見せた圧倒的なプレーは、サッカー界でも、世界でも、きっと輝くはずだ。
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