谷川浩司十七世名人「22歳の人に抜かれるとは」 王将戦で藤井聡太王将が通算27期で並ぶ可能性
◇王将戦12日開幕 将棋の藤井聡太王将(22)=7冠=が挑戦者に永瀬拓矢九段(32)を迎えるALSOK杯第74期王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)は12日、静岡県掛川市「掛川城二の丸茶室」で開幕する。藤井の3戦3勝で終わった昨年9月の王座戦以来のタイトル戦で、今回は初の2日制となる。藤井には谷川浩司十七世名人(62)と並ぶ通算27期、4期ぶり2度目出場の永瀬は初の王将位が懸かる。 藤井と谷川。中学生棋士という共通点を持つ両者の出会いは10年11月17日。「将棋の日」のイベントが名古屋であり、多面指しで谷川に挑んだ。1時間の制限時間がある2枚落ちの対局は、谷川王に入王される。このまま指すと藤井が負けそうなため引き分けを提案された。すると藤井が将棋盤へ覆いかぶさり、号泣しだした。 その少年が22歳にして、41歳だった谷川が03年度棋王戦を3勝1敗で制し、到達した27期に並びかけている。「22歳の人に抜かれるとは」。谷川は驚きを示しつつ、「予想もしないことがこれまでも起き続けてきた。どのタイトル戦で抜かれるか?だったのでしょう」と半ば覚悟を固めていた。