侍JはWBC準決勝で米国に勝てるのか? 勝機は動く球対策と小林の感性
しかも、米国の先発予定のナショナルズのロアークは、典型的なツーシームピッチャー。投球の50パーセント以上はツーシームで、昨年は自己最多となる16勝10敗、防御率2.83をマークした。エースのシャーザーに次ぐローテの2番手投手で、ナ・リーグの東地区優勝に貢献した。今大会は、1次ラウンドのドミニカ共和国戦に2番手で投げたが、2回持たずに3安打3失点で、まだ調整不足。日本が付け入る隙はあるようだが、簡単に攻略できる相手ではない。 また米国は、ジャイアンツのメランソンの緊急招集を決めた。予備登録枠を使いスマイリーと入れ替えるという。メランソンは、昨年はパイレーツとナショナルズでプレーし75試合に登板、47セーブ、防御率1.64の成績を残したクローザー。彼もまたカッターでゴロを打たせるピッチングが持ち味だ。 ブルペンは、インディアンスのアンドリュー・ミラー、ホワイトソックスのデービッド・ロバートソン、アストロズのサイドハンド、パット・ニシェック、同じくアストロズのルーク・グレガーソンと揃っていて、クローザーには、クレガーソンが回る予定で、分厚い布陣だ。 2次ラウンドで稲葉打撃コーチは動くボール対策に「謙虚な気持ちで対応すること。強引に引っ張りにかかると思う壺になる。センターから逆方向を意識して対応する必要がある」とミーティングで語った。中田翔(日ハム)が、この日、6回にセカンドの頭の上を越すタイムリーを放ったが、理想はあの形だろう。 この日は、不振の青木(アストロズ)を6番に下げ坂本(巨人)を3番に入れる打線を試したが、メジャーの球筋に慣れている青木の3番起用と、動くボールへの対応力が高く、機動力も使える秋山(西武)の抜擢は必要なのかもしれない。 動くボール対策と共に、もうひとつのテーマが先発の菅野(巨人)がゲームを作れるかどうか。カブス、ドジャース戦で、増井(日ハム)、平野(オリックス)、宮西(日ハム)、秋吉(ヤクルト)、牧田(西武)らの中継ぎ必勝パターンについての調整に目処はついた。ロバーツ監督も、「日本にはいい投手がたくさんいる。牧田のフィーリングがいい」と、キリキリ舞いさせられたサブマリン、牧田の名前を出したほど。