侍JはWBC準決勝で米国に勝てるのか? 勝機は動く球対策と小林の感性
いよいよWBCの日本対米国の準決勝が日本時間22日午前中に近づいてきた。 日本と米国がWBCで対戦するのは、過去に2度で1勝1敗。2006年の第1回大会では2次ラウンドで激突。今なお語り継がれるデービッドソン球審の“世紀の大誤審”問題が起きた。この試合は、イチローの先頭打者アーチで始まったが、3―3の同点で迎えた8回1死満塁から岩村のレフトへの犠牲フライには、十分のフライに三塁走者だった現阪神の西岡がタッチアップ。ホームインが一度は認められたが米国ベンチの抗議で、デービッドソン球審が判定をひっくり返した。決勝点は認めらず逆に3―4でサヨナラ負けした。 2度目の対戦は2009年の準決勝。松坂が先発、序盤は一進一退の攻防だったが、日本は4回に5本の長短打を集中して5点を奪うビッグイニングを作り9-4で逃げ切った。最後は、ダルビッシュ有のストッパー起用で締めくくっている。米国は2番にジーター、4番にライトをすえた錚々たるメンバーだった。 日本は米国に苦手意識はない。 だが、19日に行われたドジャースとの最後の強化試合で日本は課題を露呈した。動くボールへの対応不足だ。なんと内野ゴロが11個。ドジャースのロバーツ監督は、「日本は基本に忠実でしっかりバットに当てて来る」と語ったが、動くボールを打たされ内野ゴロの山を築いた。 一昨年オフにドミニカでのウインターリーグに参加した筒香(横浜DeNA)は、違和感なく対応して、2本のツーベースを放ったが、山田(ヤクルト)や鈴木(広島)らには戸惑いが見られた。 ちなみにロバーツ監督は、筒香について「2、3打席見ただけではわからないが、メジャーでやれる潜在能力は持っている」と、絶賛している。 ここまで1次、2次ラウンドと、打ち勝ってきたが、驚くほどのキレや精度をもってボールを動かしてきたメジャー級のピッチャーは一人もいなかった。室内のドームと、乾燥した西海岸の屋外球場であるドジャースタジアムとなると、さらにボールの動き方が変わってくる。