【大規模土砂崩れから4カ月】寸断続く山間部の村 現場はいまどうなっているのか 奈良・国道169号
奈良県南部の山間部を通る国道169号で、去年12月に起きた大規模な土砂崩れ。国道沿いの斜面が約30メートルにわたって崩れ、車ごと巻き込まれた70代の男性が死亡しました。
現場周辺は復旧工事のため約3キロにわたり通行止めが続いています。4月末に仮の橋が設置され、緊急車両や許可を受けた地元の住人らは通れますが、一般の車両が通れるようになる目途はたっていません。 周辺には温泉や宿泊施設など、例年ならゴールデンウィークに多くの観光客が訪れる施設がいくつかあります。土砂崩れから4カ月たったいまも続く影響と、地区の現状を取材しました。
土砂崩れで北部への道が寸断 下北山村は
まずは土砂崩れが起きた下北山村。北部へつながる主要道路が寸断され、奈良や大阪、京都などに行く場合は、大きく迂回しなけれななりません。
村内にはダムの跡地に作られた広大な「下北山村スポーツ公園」という施設があります。サッカーのグラウンドやテニスコート、さらにキャンプ場や温泉などがあり、毎年連休中は多くのキャンプ客が訪れるほか、小中学生のスポーツ合宿などで賑わうといいます。 しかし、土砂崩れの通行止めによって、奈良市や大阪府・京都府など北部から来る場合には、十津川村などを走る国道168号を使って迂回するか、いったん高速道路で三重県の尾鷲市まで回って奈良県に入るか、いずれにしても大回り余儀なくされ、少なくとも1時間半以上余計に時間がかかります。
連休の中日、5月2日に施設を訪れると、平日ということもあってか近くの村から小中学生は来ているものの、施設は閑散としていました。支配人の勝平芳明さんに現状を聞くと、通行止めで予約は激減しているといいます。
(下北山村スポーツ公園支配人・勝平芳明さん) 「(土砂崩れが起きてから)キャンプ場を予約していたお客さんはほとんどキャンセルでした。通行止めになってからは前年度と比べて3~4割のお客さんにとどまっています。おかげさまで(GW3日以降の)連休期間はキャンプ場は8~9割は埋まっています。けど5月の連休が終わると極端に少なくなりますね」