実力はR.マルティネス、大勢に匹敵 巨人連覇のカギ握る「160キロ右腕」は
球史に残る剛腕クローザー
剛速球で球界屈指のリリーバーの名を刻んだ助っ人外国人投手といえば、デニス・サファテだろう。広島、西武でセットアッパー、抑えで活躍すると、14年にソフトバンクへ。3球団目で絶対的守護神に進化した。移籍1年目から4年連続60試合以上登板し、15年から3年連続最多セーブのタイトルを獲得。17年はNPB歴代最多の54セーブを樹立した。 同年にDeNAと対戦した日本シリーズで見せた快投は伝説として語り継がれている。第2、3戦に登板し、3勝2敗で迎えた第6戦では1点ビハインドの9回から登板。打線が同点に追いつくと、延長10回、11回も続投。150キロを超える直球で打者をねじ伏せ、3回無失点の快投で球場の流れを変えると、11回に川島慶三のサヨナラ適時打で日本一に。日本シリーズMVPに輝き、外国出身の選手で初の正力松太郎賞に選出された。 森唯斗(DeNA)はサファテと親交が深く、その後に守護神の座を継承して黄金時代の立役者となった。サファテとのキャッチボールで破壊力十分の直球を受け続けたことで「あいつのせいで、何個、グラブがつぶれたか」と週刊ベースボールの取材で振り返っている。そして、尊敬の念を口にしていた。 「キャッチボールの意識だったりというのは、すごかったんですよ。そこはやっぱり、僕も続けていきたいなとは思っているんです」 「彼とキャッチボールをしたら、そう気づく人もいるんじゃないですか? キャッチボールの大切さというか、僕はもし一緒にキャッチボールとかをしてなくて、トレーニングでも、食事だったりでも、そこまでやっていなかったら、多分僕はここまでできていなかったと思うし、ホントに勉強になりましたね」 サファテは18年以降、股関節痛に悩まされ、一軍のマウンドから遠ざかったが来日通算234セーブをマークした。日本でキャリアを重ねて進化しているケラーはどこまで近づけるか。全盛期はこれからだ。 写真=BBM
週刊ベースボール