浅田真央さんの思いが満載 「ここから世界へ」首都圏9つ目の通年型アイスリンク開業
【フィギュアスケートの楽しさを伝えるリンク】 特にサブリンクには強い思い入れがあるという。 「サブリンクには、子どもたちにスケートを滑りながらでも四季を感じてもらいたいという思いがこめられています。外観はクラシカルなデザインになっていて、オリンピックでメダルを獲得する選手が育ってほしいという願いをこめて金銀銅の色を使っていたり、コンパルソリーの図形が描かれた金のパネルを施したりと、私の思いが詰めこまれています。世界一のスケートリンクだと思うので、今後、この立川立飛から世界に羽ばたいていけるスケーターが出たら、これ以上ない幸せです」 首都圏での通年型アイスリンクとしては、明治神宮外苑アイススケート場、ダイドードリンコアイスアリーナ、KOSE新横浜スケートセンター、三井不動産アイスパーク船橋、横浜銀行アイスアリーナ、アクアリンクちば、埼玉アイスアリーナ、東大和スケートセンターに次いで9つ目となる。 欧米と比べれば日本国内のアイスリンク施設は数的にも設備的にも劣ると言われているが、首都圏のアイスリンク施設はさらに減少傾向にある。ただし、フィギュアスケート人気に後押しされる形で、新たなリンクがオープンする動きも見られる。2025年秋にはカーリングもできる都立初の通年型アイスリンク「東京辰巳アイスアリーナ」が開業予定だ。今後の課題は、「見るスポーツ」としてはもちろん、「やるスポーツ」としてのフィギュアスケートの本来持つ楽しさを伝えていく持続可能なリンク運営だろう。 34歳になったいまも新たな挑戦をし続けている浅田さんは、衰えぬ意欲について目をキラキラ輝かせながらこう話した。
「私のスケート人生の第1章が選手、第2章がショースケーター、そして第3章は指導者として挑戦していきたいという思いがあります。まだ私自身がショースケーターとして滑っていくので、指導者としての道はスタートしないんですけど、今日を迎えられたことは、その第3章に向かって進んでいるということだと思います。次のアイスショーの日程はまだ決まっていないんですが、いまいろいろ調整しているところです。また新しいアイスショーを『MAO RINK』で開催したいと思っています」 浅田真央という希代のスケーターがプロ活動の拠点を手に入れた今後、どんな活動を展開していくのか。まずは、『MAO RINK』で開催されるアイスショーの開幕を楽しみに待ちたい。
辛仁夏●文 text by Synn Yinha