「脳疲労」の治し方は? 脳神経外科医が教える2大原因と解決法
寝ても疲れが取れない、集中力が続かない、頭がぼーっとする…etc. 世界的に見て睡眠時間が短い多くの日本人が陥っているといわれる“脳疲労”。脳神経外科の奥村 歩先生に、脳疲労の原因と、それを解消するための簡単な方法をASK!
スマホによる情報過多と睡眠不足が、現代人の“脳疲労”の原因
年々、世の中の情報スピードが加速していくのに比例して、増えているといわれるのが“脳疲労”に悩む人。そもそも“脳疲労”とはどのようなものなのか、脳神経外科医の奥村歩さんに聞いた。 奥村 歩/脳神経外科医。全国から毎日100人以上が来院する「おくむらメモリークリニック」の理事長も務める。“もの忘れ外来”を中心に、認知症やうつといった現代病を中心に診察。近著の『脳のゴミを洗い流す「熟睡習慣」』(すばる舎)も大ヒット。
「“脳疲労”とは病名ではなく、マルチタスクや情報過多により脳が休めず“情報処理能力が低下している状態”のことです。特にここ数年、スマホの普及により情報のスピードが急激に速くなり、多大な情報処理を強いられるようになったことが脳疲労の大きな原因と言えます。 また、頻繁に起こる頭痛や腰痛、つらい更年期症状など、体のコントロールがうまくいかず自律神経が乱れているのも脳疲労が原因の可能性も」。
では、脳疲労を改善するためにはどうすればいいのか。具体的なアクションについても教えてくれた。 「なんといっても一番重要なのは良質な睡眠です。近年、脳のゴミと呼ばれるアミロイドβというタンパク質がたまると、脳に悪影響を与えるということがわかってきました。このアミロイドβを排出するには熟睡以外の方法はありません。睡眠がいかに大切かがわかりますよね。 他に、脳を覚醒させる神経伝達物質、オレキシンを弱めるために朝日を浴びてメラトニンを優位にすることも有効です。当たり前のようですが、規則正しい生活習慣や健康的な食生活が脳を疲れさせない土台になるので、今一度ご自身の生活を見直してみてください」