福岡玄界クラブ、悲願の初勝利 強豪降す 全日本社会人ホッケー
9月に滋賀県米原市で開かれた全日本社会人ホッケー選手権大会で、福岡県古賀市の県立玄界高女子部の卒業生らでつくる福岡玄界クラブが初の1勝を挙げた。今年は同校に県内唯一のホッケー部が生まれて30年。節目の年に新たな一歩を刻み、さらなる飛躍を目指す。 玄界クラブは6月の九州予選(鹿児島県)で2勝して初優勝し、2度目の全日本選手権出場をつかんだ。初出場の昨年は初戦敗退。今年は1勝して8強入りを目標に、週末や祝日に練習を重ねた。 大会初戦の相手は、実業団経験者の多い強豪、ならクラブ(奈良県)。個々の技術で及ばずとも、運動量で負けないようにと意識した。後半開始直後、得意のセットプレーからDF艶島(つやしま)麻弓さんがシュートを決め、先制。相手の猛攻を堅守でしのいで、1―0で悲願の初勝利を飾った。 監督兼選手のFW宮本愛永(まなえ)さんは「最後まで集中力を切らさずに戦えた」。準々決勝はその後優勝したH・F・C-HANNO(埼玉県)が相手で、0―5の完敗。艶島さんは「相手が何枚も上でしたが、私たちにできることはまだまだあると感じた」と話す。 玄界クラブのメンバーは、仕事や家庭を持ちながら社会人選手権や国体の上位入賞を目標に活動を続ける。宮本さんが女子部の外部コーチを務める玄界高のグラウンドを借り、いまだ県内に人工芝のホッケーコートがない不利な環境の中でも練習に励み、切磋琢磨(せっさたくま)してきた。 創部30年を迎えた玄界高の最高成績は女子が全国3位、男子が同16強。宮本さんは、男子部の中山周日(しゅうにち)監督とともに生徒の指導にも心血を注ぎ「人工芝実現の機運を高めるためにも、走り負けない玄界ホッケーを進化させ、さらに上の結果を求めていきたい」と語った。【上入来尚】