【サッカー】南山大、29年ぶり東海学生リーグ1部昇格 名古屋高コンビ、恩師の悲願達成の原動力に
サッカーの東海学生リーグ2部の南山大が今季、入れ替え戦に勝利し、1996年以来29年ぶりの1部昇格を決めた。昨冬、全国高校選手権で8強入りし旋風を起こした名古屋高出身の2選手が先発し、原動力の1つに。悲願達成は、恩師の雪辱でもあった。 名経大との入れ替え戦の前半34分、ペナルティーエリア少し外のFK。DF月岡陸斗(1年)のFKのこぼれ球に、MF田中響貴(同)が詰めて2点目を挙げた。ロングスローで沸かせた月岡と、主将だった田中。名古屋高コンビが1部昇格を大きくたぐり寄せた。 実は1部昇格は、名古屋高の山田武久監督が3年生のときに、正GKとしてプレーしたシーズン以来。恩師の流した悔し涙を、30年弱ぶりに晴らしたのだった。2人とも知らなかったが「1部は随分昔だと。山田さんの借りを返せた」。口々に言って笑った。
入学当初、2人ともサッカーを部活で続けるかは決めかねていた。キャンパス内にある人工芝グラウンドは、各部と併用のため、平日に使えるのは週3回。スポーツ推薦もない。ところが、昨季主将のMF高田楓斗(4年)は、強豪の鹿島学園高出身。部全体のレベルの高さを練習参加で感じ「自分が強くしたい」(月岡)と入部した。 長年の悲願達成。主将のDF森谷泰斗(3年)は「うれし涙って出るんだなって。学生主体でやっている分、嫌われ役になってでも、厳しいことを言ってきた」と振り返る。1年冬に負った左膝前十字靱帯断裂のけがが完治しておらず、1部でのプレーは最大のモチベーションだ。 1部は中京大から4人、中部大から1人がJリーグ入りする。田中は「通用しないことが多いと思う。でも、そこを倒したい」、月岡は「めちゃくちゃ楽しみ。自分たちが次は南山大旋風を起こしたい」。ひるむことなく、強敵に挑む。
中日スポーツ