保育人材確保へ官民連携 奄美市、円卓会議で課題共有 12月に市長へ提言
「奄美市保育人材確保に向けた官民連携円卓会議」の第1回会合が26日、鹿児島県奄美市名瀬の産業支援拠点施設「WorkStyle Lab(ワークスタイルラボ)」であった。保育人材の確保が急務となる中、官民が集まって課題解決を目指そうと初開催。安田壮平市長から委員13人に委嘱状が交付された後、市や各事業所の現状や課題を共有した。今後も12月まで月に1回程度会合を開き、市長への提言を目指す。 市では名瀬地区で昨年度25人の待機児童が発生したことを受け、保育士などへのアンケート調査や市内の民間保育施設へ聞き取り調査を実施。「保育従事者の労働環境改善」や「保育人材の確保」などを求める声が上がり、行政と民間が共に議論する場が必要と同会議を設置した。 委員は有識者や保育事業者、障がい児通所支援事業者、市担当課長らで構成される。会では委員から▽親の介護や転勤に伴う離職がある▽(乳児や療育など)手厚い支援が必要な子どもへの職員の加配が追い付いていない▽(子育て世代など)職員の年齢層が固まると休みも重なる―など現状が共有された一方、職員が休みたい時に休める職場づくりを目指しているという声も複数上がった。 座長に選任された奄美看護福祉専門学校の非常勤講師で保育士の吉村喜美代さんは「それぞれの立場の方々が一つの輪で意見を出せる場ができてよかった。本日の結果を持ち帰り、現場の声を聞いて、またみんなで集まる。『奄美の保育はいいね』と言える提言を目指したい」と語った。 会議の事務局を務める市保健福祉部の畠山正明重点政策推進監は「保育人材の不足は数年前から言われ続けているが、行政や施設職員、社会保険労務士などが同じ場の中で奄美市の課題について議論することに意義がある。行政からの支援も含めて、いい提言をつくりたい」と話した。