<海のはじまり>毎話成長する目黒蓮の芝居を村瀬Pが絶賛「名優たちと向き合うたびに新しい表情が出ている」
Snow Man・目黒蓮が主演を務める月9ドラマ「海のはじまり」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系/FOD・TVerにて配信)が放送中。本作は、ドラマ「silent」(2022年、フジテレビ系) 、「いちばんすきな花」(2023年、フジテレビ系)の脚本を手掛けた生方美久氏と、村瀬健プロデューサーがタッグを組む3作目で、“親子の愛”をテーマにした完全オリジナル作品。この度、村瀬Pが囲み取材に応じ、目黒、有村架純、池松壮亮らキャスト陣の芝居について語った。 【写真】海辺で向き合う夏(目黒蓮)と海(泉谷星奈) ■毎話成長する目黒蓮の芝居を絶賛 本作は、人はいつどのように“父”になり、いつどのように“母”となるのか。自分の子どもが7年間生きていることも、これまでをどう生きてきたかも知らなかった夏(目黒)と、突然自分の人生に現れた海(泉谷星奈)という2人の関係や、亡くなった水季(古川琴音)と海との間の母と子の関係など、登場する人物たちの中にある“親と子”の間に生まれる感情をリアルに、そして丁寧に描き紡いでいく作品。 夏を演じる目黒の芝居について聞かれた村瀬Pは「Snow Manが出ている音楽番組などで目黒くんのかっこいい姿を見ていると、夏を演じる時はオーラを消しているんだってことがよくわかります。夏のかっこわるいわけではないけど、頼りないようなキャラクターを本当に見事に演じていると思います。そもそも、いま一番キラキラしている目黒くんが、夏を演じることができているというのがものすごいことです。他の作品でもそうだとは思いますが、特に本作は共演者が全員すごい。有村架純さん、古川琴音さん、池松壮亮さん、大竹しのぶさんなど、本当にお芝居が上手で、しかもテクニックだけじゃなくて心で演じる名優たちと芝居をやっていて、目黒くんは毎話どんどん良くなってる。海役の星奈ちゃんも自然な芝居で大人の役者には出せない良さがあって、これもまた目黒くんにとっては良い刺激と経験になってるんじゃないかなと思います。極めつけは田中哲司さんが実父役で来たことで、また一つ成長した感じがします」と回答。 目黒の芝居の中で特に印象的なシーンについては「第1話で朱音に『想像してみてください、今日一日でいいので』と言われた時の夏の表情は、今までの彼のお芝居に無かった域に行っていたと思いました。弥生(有村)に『殺したことがある』って言われて何も言えなくなったカフェのシーンも、今までに無かった表情をしています。名優たちと一人ずつ向き合うたびに、新しい表情が出ている気がします。池松さんが目黒くんのことを絶賛していて『素晴らしい役者さんだ』ってよく言っています。津野(池松)とも何回か対峙していて、これからも対峙していきますが、津野と向き合っている時の表情が、池松さんの演技力を持っていくというんですかね。池松さんの芝居をすごいと感じながら、目黒くんはそれを自分の中に吸収していってる気がします」と語った。 ■オーディションでも断トツの演技力を見せた泉谷星奈 海役の泉谷星奈は、村瀬Pが手掛けた「いちばんすきな花」で夜々(今田美桜)の幼少期も演じていた。「夜々の幼少をやってもらった時もお芝居が上手でした。お芝居だけでなく、大人たちの間に入っても全然臆さず、堂々としていますし、集中力が途切れるみたいなこともあまりなく待てるので、その頃から十分プロだと思いました。海役はオーディションをやって、星奈ちゃんもシードではなくしっかりオーディションを受けてもらいましたが、断トツでした。表現力も理解力もすごくあって、星奈ちゃんがいてくれて本当に良かったです。第7話の「ママ痛くない?薬飲んだ?」のときの表情も素晴らしかったです。星奈ちゃんはあの気持ちを分かっていると思うんです。例えば、お母さんが死んじゃった芝居をする時に、お母さんが死んじゃった経験があるかないかではなくて、そこをイメージ出来るかみたいなことで。星奈ちゃんはそういう想像が出来ているんだと思います。ただ、『はい、カット』って言われた瞬間にケラケラ笑っているので、もしかしたら技術でやってるのかもしれないし、分からない部分ではありますけどね。みんな星奈ちゃんのことが大好きで、大竹さんもずっとぎゅーってしています(笑)。ちなみに、僕が髪を切った時に、現場で誰よりも早く『あ、村瀬さん髪切った!』って言ってくれたのも星奈ちゃんです。あれはモテます(笑)」と星奈ちゃんの魅力を語る。 さらに、第7話では海の1歳の頃と3歳の頃の様子も描かれた。子役の子役探しは難しいと言い、「星奈ちゃんに似てる子を探そうとすると難しいなと思っていたんですけど、星奈ちゃんがよく現場で3歳の妹・月菜(るな)ちゃんのことを話していたんです。子役をやっているわけではないんですけど、お母さんに相談して来てもらったらやっぱり似ていて、とっても可愛かったので、その場でオファーしました(笑)。月菜ちゃんも一生懸命頑張ってくれました」と明かす。 ■想像をはるかに超えてきた池松壮亮の芝居 これまで放送された回の中で想像を超えてきた芝居について聞かれると、池松の名前が挙がる。池松演じる津野は、生前の水季や海をさまざまな場面で支え続けた人物。「一番衝撃だったのは第7話の池松さん演じる津野が訃報を受けるシーン。あれは本当に想像を超えたものでしたね。電話を受けて表情だけで慟哭を見せるというもので、あのワンシーンで津野という人が抱えていたものがすべて分かると思います。ちなみに第6話までの段階で、今の質問をされてたら、津野の(水季の終末期について)『思い出したくないです』と言う芝居だったと思うんです。実は台本ではあそこは『即答する』って書いてあったのですが、あれだけ溜めて『思い出したくないです』と言っていて。でも、あの言葉に全てが集約されていた。津野が言っていた『僕の方が悲しい自信があります』って言った意味、『思い出したくないです』って言った理由が、全部次の第7話のあの電話のシーンで分かるようになっていて、この一連の池松さんの演技は、何年もこの仕事やってきましたけど本当にビックリしました。台本を読んで感じたものより向こう側にあるものを池松さんのお芝居は教えてくれる。感心を通り越して感動しています。というか、ただただ見入っています」と池松を絶賛。 そして、恋人に娘がいたことを知ってしまう弥生役・有村については、「弥生は本当に難しい役で、有村さんも苦しみながら演じてくれています。せりふの意味や、ここでどういう気持ちになっているかっていうことを僕とディスカッションして、現場では監督ともディスカッションしながら役に落とし込んでいます。ものすごく丁寧で真摯な姿勢で弥生という役と向き合ってくれています。嫌われかねない役をしっかり丁寧に演じてくれていますし、一方で夏との2人の時の恋する女の子のかわいさみたいなものも、ものすごく上手ですごいなと思っています」と役への向き合い方や芝居の良さを語った。 また、水季役の古川については「あの不思議なキャラクターをとにかく魅力的に見せてくれています。捉えようのない役だけど芯が強くて、翻弄されてしまうような魅力がちゃんと出せていて、古川さんにしかできなかった役だと思います。水季をどういうキャラクターにするか考えていた時は、まだキャスティングは決まっていなかったのですが、古川さんにお声掛けをした時くらいから生方さんは古川さんをイメージして書いていましたね。古川さんが演じてくださって本当に良かったです」と回顧した。 ◆取材・文=水沢あすみ