毎日新聞“こたつ記事”誤報に波紋 竹中平蔵氏「消費税や法律の恩恵を受けるメディアがPV稼ぎ=大衆に媚びるのはジャーナリズム失格だ」
■田村淳「真実もあれば、そうじゃないものもある。後者とは戦ってきた」こたつ記事の功罪と是非
こたつ記事が増加する理由として、城戸氏は、メディア側には「発言ベースで書けるため専門性が低くてOK」「取材などに比べかかるコストが低い」といった点があると説明。また、読者の興味が細分化・分散化する現代では、SNS次第で影響する読者が変わるため、知名度が低くても刺さる場合もあると指摘する。 加えて、「政治家や芸能人が自分のSNSで最初に情報を出すようになった」「ポータルサイトなどがこたつ記事を良しとし、配信収入を得るメディア側もコントロールしづらい」「どれだけ本数を出せるか、ランキング上位に入るかなど、書く側には“ゲーム感覚”の人もいるのでは」との側面も推測した。 タレントの田村淳は、「こたつ記事にも、真実のものとそうでないものがある。後者とはずっと戦ってきた」という。書き手への“逆取材”を通して、「新たな稼ぎ方が生まれている。スピード重視で、とにかくバイトに書かせて、PVとお金を稼ぐ。この仕組みは変わらないはずで、自己防衛としては『こたつ記事っぽいから読まない』と飛ばすしかない」と考えていることを明かす。 フリーアナウンサーの柴田阿弥は「意味合いが異なるタイトルを付けられても、本文まで見てくれる人は少ない。そこのニュアンスとファクトチェックは気を付けてほしい」と呼びかけつつ、「フォロワーの増加や宣伝につながる側面もあるので、記事すべてが悪いとは思っていない」とメリットにも言及。 山田氏が「こたつ記事でも、責任の所在がはっきりしていればコラムになる」「匿名で書くからおかしくなる。署名が大事だ」と触れると、城戸氏は「『オリジナリティは必要なく、誰でも書ける』ということで、編集部で署名を入れるまでもないと判断されるのではないか」と考察した。 竹中氏は改めてジャーナリズムの観点から、「SNSから問題を取り上げる時、エビデンスに基づいて報道すれば問題なく、全く無視しろということではない。しかし、そこですり寄っていくから、みんな新聞を読まなくなり、広告収入も入らなくなる。その悪循環の中にジャーナリズムが巻き込まれている。読む側は、ジャーナリズムか、そうではないメディアかで線を引くべきだ」と述べた。(『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部