【オリックス】期待大きい岸田護新監督 中嶋野球を吸収し人望も厚い 担当記者が解説
オリックスの岸田護新監督(43)が11日、大阪・舞洲の球団施設で就任会見を行った。05年に発足したオリックス・バファローズの生え抜きとして初、球団の投手出身では前身・阪急時代の梶本隆夫(1979~80年)以来の監督誕生。5位低迷の責任を取る形で辞任した中嶋聡前監督(55)からバトンを受け取った。 * * * * オリックスは最良の選択をしたはずだ。中嶋前監督は19年の2軍監督就任から20年の監督代行を経て在籍6年。その指揮下で勝利と育成を両立し、土台はでき上がったと言っていい。 岸田新監督は20年から投手コーチとして主にファームを担当。会見での言葉とは裏腹に綿密なコミュニケーションで情報を共有し、中嶋野球を吸収してきた。就任会見を見守った福良GMは「このシステムや流れを、一番分かっている人間」と説明。当初は外部招へいも視野に入れていたようだが、伸び盛りの若手を多く知り、オリックスひと筋19年で人望も厚い岸田コーチにかじを切った。 今季先発で苦しんだ山下は7月に一時、リリーフに回った。登板予定がなくともブルペンに入れて「流れを勉強するように」と学ばせたのも、岸田コーチのアイデア。ある試合でイニング途中の投入に備えることを拒んだペルドモには鬼の形相で迫り、「マモさん…」と“更正”もさせた。就任会見後にはさっそく、今月下旬にも予定されるフェニックス・リーグでの初采配に向けて水本ヘッドコーチらと4時間以上の打ち合わせ。常に選手思いで、熱いハートも持ち合わせる青年監督への期待は大きい。(オリックス担当・長田 亨)
報知新聞社