2023年“知られざる”世界10大ニュース…日本で注目されなかった世界の重大な出来事は
日テレNEWS NNN
2023年の国際ニュースを振り返ると、ウクライナ侵攻やパレスチナ自治区ガザ地区での戦闘が大きく取り上げられた。世界では他にも重大な出来事が数多くあったが、大きな話題の中で埋もれてしまうことも。日本で注目されなかった重大な国際ニューストップ10は?(国際部・内山瑞貴)
■世界の“知られざる”重大ニューストップ10は?
メディア研究機関Global News Viewが「世界の“知られざる”重大ニューストップ10」を発表した。2023年に発生した出来事のうち、日本ではあまり話題になっていないが、国際ニュースとしては重大な動きがあったトピックをランキングにしたものだ。
■サウジ国境警備隊が数百人の移民殺害か…スポーツやエンタメ「イメージ戦略」のウラで
2位には「サウジアラビアの移民殺害」がランクインした。2022年3月から2023年6月に、サウジアラビアの国境警備隊が少なくとも665人、多ければ数千人のエチオピア人移民を無差別に殺害していたことが、国際人権団体の「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」の調査で判明した。
報告書によると、紛争や貧困を理由に、エチオピアから多くの人がイエメンを経由してサウジアラビアに入っていて、およそ75万人のエチオピア人が働いている。しかし、生存者の証言などによると、国境を越える際、女性や子どもを含め至近距離で射殺されたり、バラバラに切断された遺体が放置されたりしていたという。 AFP通信などによると、サウジアラビア政府は「事実無根だ」と主張している。
サウジアラビアは近年、クリスティアーノ・ロナウド選手などサッカーの世界的なスター選手との契約に巨額の費用を投じたほか、エンタメやスポーツイベントの開催に多額の投資をしてイメージアップをはかっているが、それらは移民殺害といった人権侵害から国内外の批判の目をそらすためだと報告書は指摘している。
■「結核」治療で前進 多剤耐性結核のジェネリック製薬可能に…製薬会社の特許問題にメス
5位にランクインした、「結核のジェネリック製薬が可能に」は、防げるはずの病気で亡くなる人が世界で大勢いるなかで、一つの明るいビッグニュースといえる。
結核は、結核菌という細菌に感染して起きる病気だ。予防も治療もできる病気であるが、WHO=世界保健機関によると、2022年には世界で130万人もの人が亡くなった。 なかでも、薬に耐性を持ったタイプの結核=多剤耐性結核が問題となっている。ただ多剤耐性結核も治療は可能で、その有効な薬のひとつに、医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソンが特許を持つ「ベダキリン」という薬がある。