【独自】南こうせつ75歳『神田川』大ヒットの裏に葛藤…“4畳半”のレッテルから逃れ田舎暮らしで見つけた“人生哲学”とは?
なぜ、青山から田舎暮らしに…
南こうせつさん: 結婚して子供ができて、すごく東京暮らしを楽しんでたんですけど、なんか1カ所埋まらないところがあって。それは、ちっちゃいころ私のド田舎の1級河川の大野川で遊んで、本当に童謡にあるように、「みんなのお顔も真っ赤っか ぎんぎんぎらぎら日が沈む」ってそのまんまの、それをやりたいという欲求がすごくあって。 ぽっかり空いた心の穴を埋めるため、南さんが決断したのは地方移住でした。当時26歳。 最初に選んだ移住地は、山梨県の富士河口湖町。その後、現在の住まいである大分県の国東半島に移住します。 南こうせつさん: なんか海が見えるところで風に吹かれて、ぼやーっと1日暮らしたい。例えば水仙が咲いて梅の花が咲く、そして桜の花が咲いて。その季節の変わり目の中でいろんな鳥の鳴き声も変わってきたりとか。 雄大な自然に囲まれた生活の中で確立されたのは「あるがままに暮らす」という生き方。そして、音楽への向き合い方にも変化が。 南こうせつさん: チケットがだんだん売れなくなって、大きな2000人の会場は1000人になり500人になり、もう目の前、どんどん減っていく。ああ、もうこれで歌手も終わりかなって。 その都度、今もそうなんですけど、元々歌が好きで、ギターで人前で歌うのが。きょうはカメラさんとあなた(ディレクター)2人いますけど、そういうところで歌ってたから。聴いてくれる人が1人でもいれば歌う。それで歌を作り、歌ってきたので。 「好きな人たちに自分の歌を届けたい」。そんな南さんの思いは、着実にファンの心をつかんでいったのです。 南こうせつさん: 朝起きて目が覚めて、今日はいい天気だとか、そろそろ冬になるんだなとか、冬になって木の葉っぱが落ちても芽は春の準備してますから、頑張るなあとか、独り言のようにして一日が終わるんですけど、それでいいと思ってますね。 無になる、風の音を聞く。それだけでいいと思う。そこに生きることの意味とか、美しさとか悲しさとかそういうメッセージが自分の中から湧き出てくると思う。 田舎か町のじいちゃんか分かんないけどぽつんと座って口ずさむ。人に聴かせるんじゃなく、自分の人生の悲しみや喜びを口に出して歌う、そういうのっていいですよね。 「神田川」を80代90代でももし歌えたら「♪貴方は もう忘れたかしら~」って、そこまで歌ってみたいし、そういうのを作ってみたいですよね。 「♪I was dancing with my darling to the Tennessee Waltz~」とかかっこいいよね。 (『めざまし8』 2024年11月25日放送より)
めざまし8