「使用済みティッシュだらけの居室」「そこにネズミが巣くい、大量の糞が…」父が病死し、久しぶりに実家を訪れた息子が見た「絶望の光景」ーーゴミ屋敷となった実家はどうなるのか
「案外フカフカだったのでは?」と思ってしまうが、住環境としては決して良いものではない。すでにゴミの中からは「ガサガサ……」とネズミが這い回る音が聞こえているのだ。 毎日このスペースで生活していたにもかかわらず、こんもりとホコリが積もっている場所もある。掃除はまったくしておらず、生活を放棄していたのは一目瞭然だった。 ■寝ていた毛布に「大量のネズミの糞」 奥にある和室はさらにゴミが多い。パンパンに膨れ上がったゴミ袋が壁際に積み上げられている。
くすんだカーテンを開けて日の光を入れると、そこら中に黒い粒がこびりついているのがわかる。近くで見るとすべてネズミの糞だった。寝床にしていた毛布までビッシリと糞にまみれていた。 一方の2階は散らかってはいるものの生活ゴミの類いはほとんどない。ただ、“綺麗にしていた”わけではなく、“使っていなかった”にすぎない。なぜなら、1階に比べてネズミの糞の量が倍以上に増えているからだ。 2階の和室にはセミダブルのベッドが一台置いてあったが、布団にこびりついた糞の多さから、ここはもはやネズミの寝床になっていたのかもしれない。
となりにある子ども部屋は、現在40代になる息子が幼少期に過ごしたときのままになっていた。床には漫画本が転がり、子ども時代の服や学校の教材もそのまま。しかし、床はネズミの糞だらけである。 「今日は1階から片付けていきます。ネズミは基本的に2階の押し入れにいる可能性が高いので、上で(ネズミ駆除の)煙を焚いている間に、下を片付けていく予定です」 現場に入った、文直氏の弟でありイーブイのスタッフでもある信定氏がそう言うとおり、人の気配を察したのか2階の押し入れからも「ガサガサ……」とネズミが這い回る音がする。たしかに、1階で聞いた音よりも数が多い。
■妻にも実家のことは内緒にしていた この一軒家には70代の男性が住んでいた。一緒に住んでいた妻は早くに亡くなり、そこからずっと一人暮らしである。そして、今回の依頼者である息子とは長らく疎遠になっていたという。 病院で男性が息を引き取ったことを機に息子が久々に実家へ戻ると、想像もしていなかった光景が目の前に広がっていた。 大阪から離れた土地に住んでいたということもあったが、肉親の状況をまったく把握できていなかった自分を恥じていたという。見積もりのときの様子を文直氏が話す。