令和ロマンに真空ジェシカ…“これまでと違う”若手にどう対応?→ノンスタ石田明のアドバイスが納得感しかない
● 自分と意見が違う若手にどう対応する? ――部下や新人への視線もそういう視線でありたいですね。40代で中間管理職になるビジネスマンたち、自分とは世代の違う部下の扱いに困っている人が多いんです。お笑いの世界でも、令和ロマンや真空ジェシカなど、これまでの常識を覆す人材がどんどん出てきていますが、石田さんのようにむしろ彼らと一緒にYouTube番組を発信したりして、新世代の登場に対しても動じずにいられる秘訣は何でしょうか。 石田:お笑い新世代なんて呼びますけど、出てきた奴に反応すると、こちらの対応が遅れてドギマギしてしまうんです。なぜ彼らが出てきたのか、なぜいまこういうお笑いになってきているのか、彼らが出てくる前にその理由を探して理解しておく。お笑いをずっと眺めていると、新しいことが起きる理由がポコポコあるんですよ。そのうえで、この人たちと共存するために分かり合えるところ、分かり合えないところを細分化しておくのが解決策ですかね。 いったん、今の自分の意見を横に置いて、若い人たちを見るんです。それで2誉めたら、(言いたいことを)1言っても大丈夫ちゃうかな。「こういうアイデアもあるんちゃう?」なんて提案をね。だいたい若い世代を批判する人って、言い始めが「それもいいけどさぁ」なんて、助走が悪い顔になってるんですよ、批判したい魂胆が見える顔(笑)。 ――まずはリスペクトを示すことが大事、と。 石田:下が言ったもん勝ちの時代が来てるので、みんないろいろ思うことはある。でも一人一人、「人」で対応しているとブレるんで、全体の流れから彼らがそういうお笑いをやる理由を捉えて、自分にとっては「変な意見」も、一度自分を貫通させてから意見を言うといいですよね。 ――石田さんはいまNSC講師としてもご活躍ですね。 石田:NSCはいま芸人講師が増えてるので、芸人で講師やってるのは僕だけじゃないんです。でも芸人は、「この人たち面白くない」とはあんまり言わない。(構成)作家さんやったら「おもんない」と言うかもしれないけれど、芸人は「こいつらがやりたいことはこれなんだ」と、昔の自分たちを見るような気持ちで。 キッチュだったり見たことのないスタイルだったりしても、好きな人は好きっていう笑いはいっぱいあるわけで。だから否定せずに、「どうしたらこいつらを、笑ってもらいやすくできるか」って、可能性ばっかり見てるんですよね。 ――自分たちがやりたい笑いの確立。まさに石田さんたちはそれと格闘して、ここまで来られたんですね。 (第3回に続く)
河崎 環