しまなみ債権回収・再生事業部 インタビュー ~ 地域に根差した「再生系サービサー」によるソーシングと企業支援 ~
―ソーシングにおいて、GPとしまなみサービサーの関わり方は
(三好)GPであるルネッサンスキャピタルの本社が東京なので、地元に近い我々が動くほうが効果的だと考えている。また、我々は広島が拠点なので、地元のセラーの意向に沿ったきめ細かな相談など、機動的かつ寄り添った対応が可能だ。ルネッサンスキャピタルはファンド運営実績が豊富で様々な事業再生のノウハウを保有しており、その知見も活用して我々が事業者に寄り添った対応をする。両者の強みを生かした運営をする方が実効性が高まる。
―「未来の架け橋ファンド」の組成に際し、「信用保証協会の出資」と「条例の制定」(※5)も行われた
(末光)今までの事業再生ファンドは、保証付融資以外を整理してきた。だが、ゼロゼロ融資などコロナ関連融資は保証付なので、コロナ禍を経たいま、信用保証協会を除いた事業再生はありえない。銀行のプロパー債権と保証付融資を一緒に整理しないと再生は難しいため、信用保証協会にも出資いただき、再生への取り組みに前向きな姿勢を示していただいている。また、信用保証協会の求償権の売却について、不等価譲渡を行う際は、県や市の制度融資は議会を通さなければならなかったが、去年の12月に知事専決条例ができ、2月には広島市でも条例が施行された。事業再生にむけた環境は整いつつある。 更には、ファンドが活性化協議会と連携することにより、コロナ禍で過剰債務を抱えた中小企業の抜本的再生や地元の雇用維持が可能になると考えている。 ※5 2023年12月、広島県では保証付債権の不等価譲渡の知事専決条例が施行された
―ファンド組成における苦労は
(末光)実は、本ファンドは組成まで足かけ2年半と非常に長くかかった案件だ。民間だけが出資するファンドとして当初検討したが、信用保証協会付の融資を度外視しては事業者の再生はありえないので、ルネッサンスキャピタルと協議し、官民ファンドとして落ち着かせるまで時間がかかった。 (文田)出資メンバーに商工中金に入っていただいたことや、ファンド組成3回にして初めて、信用保証協会に出資いただいたことなど、そういった交渉や出資額割合などの調整にも時間がかかった。