「新型コロナウイルス学者」、ついに新型コロナウイルスに感染する【「新型コロナウイルス学者」の平凡な日常】
■療養、快方へ 翌6月30日。無事に目は覚めたが、倦怠感と頭痛がすごい。喉にすこし違和感はあるが痛みはなく、咳や痰もほとんどない。朝起きてすぐに抗原検査してみると、液体が「C」に到達する前に、「T」に辿りついた瞬間、バシッとバッチリ線が出る。 感染してしまったことを、共同研究をしているインターパーク倉持呼吸器内科の倉持仁先生(47話に登場)に報告すると、心配した先生がオンライン診療をしてくれた。薬も処方して郵送してくれるという。ありがたい。 この日はずっと解熱剤を服用し続ける。寝て起きての繰り返し。頭がぼーっとするので、読書に集中することもできず。MacBook Airを開き、Amazon Primeで、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で優勝した侍ジャパンのドキュメンタリー映画を観たりして過ごした。 その翌日、7月1日。特に容態は変わらず。昼前に倉持先生が送ってくれた薬が届く。さっそくそれらを飲む。すると昼過ぎには、解熱剤なしで37度台前半まで一気に熱が下がる。薬が効いたのか、COVID-19とはそういう病気なのかはわからないが、湿布をはがすようにケロッと症状がなくなった。咳などのほかの症状も出てこない。 7月2日。解熱剤なしで、体温は36.5度まで下がる。ほぼ平熱。立ち上がるとすこしふらつくくらい。喉にすこし違和感があるくらいで、ほかに自覚できる異常はない。 7月3日。体温は36.2度。異常はもうほとんど感じない。結局その後、ぶり返すことなく快方に向かう。
■職場復帰。しかし...... 発症から6日目の7月5日、ついに外界へ! 6日ぶりの出勤。景気づけに鰻の弁当を食べて、さっそく対面の会議にマスクをつけて参加。しかし、すぐに自分の異常に気づく。おかしい。頭が回らない、言葉が出ない......! 職場復帰するも、それから1、2週間は、ブレイン・フォグと思われるような症状に苛まれた。頭が回らない。そして、しゃべろうとする言葉が口から出てこない。ひと月もするとそれもだいぶ落ち着いて元通りになってきたと思うが、復帰直後はこのままずっと後遺症として長引いてしまうのではないかとヒヤヒヤしていた。
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