基本混浴、お湯には水着で…約500湯を巡った温泉オタク会社員が体験した「日本と設備・ルール・雰囲気の何もかも違う!」ヨーロッパの温泉の実態とは
◆永遠に湯船マラソンができちゃうハンガリーの温泉 ハンガリーは、ブダペストにある温泉をめぐっていました。「ヨーロッパ最大のスーパー銭湯」とうわさの「セーチェニ温泉」をはじめ、ドナウ川沿いにいくつか温泉施設があるのです。 本当に町中に点在しているので、日本の銭湯に近い感覚でサクッと入浴できるのが素敵。 ヨーロッパ的な温泉設備が整っている「セーチェニ温泉」「ルカーチ温泉」「ゲッレールト温泉」のそれぞれにいい部分はあったけれど、トルコ式浴場を構える「キラーイ温泉」「ルダシュ温泉」のほうが好みでした。 一番よかったのは、「ルダシュ温泉」。トルコ式浴場も、サウナも、水泳プールも、パノラマ露天もあるてんこもりな施設です。28度、30度、33度、36度、42度の湯船が五つある湯場がとにかくサイコー過ぎました。 熱いのとぬるいのと、ぐるぐる永遠に湯船マラソンができちゃいます。とろつる湯で、硫黄のにおいがとっても豊か。飲泉もできます。 42度は日本人好みですが、ヨーロッパではかなり熱いので希少。気楽に浸かれる女性専用デーにぜひおすすめしたいです。 ドイツやアイスランド(後述)と比べて、ハンガリーは温度の違う湯船が備わっているので、交互浴が好きな方にはおすすめでした。社交場としての機能がかなり強いため、みんな賑やかで、スーパー銭湯のような雰囲気です。 芒硝のにおいがしたり、硫黄のにおいがしたり、つるつるな浴感だったり、近場で湧いていながらそれぞれに温泉の個性を感じたのもよかったなあ。 宿泊は、ゲッレールト温泉が併設されている「ダヌビウス・ホテル・ゲッレールト」がおすすめ。早朝の空いていて清潔で新鮮なゲッレールト温泉に浸かれます。
◆火山の国・アイスランド アイスランドは、いわずとしれた火山の国。地熱によって湧き水が基本熱いため、水道水はわざわざ冷ましていて、給湯器いらずなのだとか。もはや「デフォルトが温泉」といったところでしょうか。 アイスランドの旅行は、基本的にツアーに参加するか、レンタカーに乗って自分でめぐるしかありません。しかもツアーのほとんどが自然目当てなので、滝を見たり、オーロラを観察したり、氷の洞窟を探検したり……とかなりアクティブなラインナップなのです。 私のような温泉だけが目当ての観光客はほとんどいません。首都レイキャビク発のツアーで、ひとり客でも楽しめたのは、「ブルーラグーン」「シークレットラグーン」「フォンタナ・スパ」でした。レイキャビクの市民温泉プール「ロイガルダルスロイグ」も面白かった。 やっぱり目玉は、なんといっても世界最大の露天風呂「ブルーラグーン」。入場料はなんと約1万円(当時、私が選んだプラン)です。でも、ここまで来て、渋るわけにはいきません。 えいやと行ってみたところ、メディアでよく見る青白い色をした温かい温泉がずうっと続いていて心が震えました。本物……ついに来た……と、感慨深くなります。 とはいえ、温泉といっても、地熱海水によって造られた人工の温泉。でも、ミネラル豊富で塩気たっぷり、磯の香りがして、よーく温まりました。 とにかく広い、気持ちいい、楽しい。風が強いと優雅さは半減しますが。泥パックのようなシリカを試したり、バーでビールを飲んだりして写真を撮っていると、あっという間に時間が経ちます。ホテルもあるから泊まればよかったなあと後悔しました。
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