「この賞は本当に特別」 PGAツアーの『ルーキー・オブ・ザ・イヤー』に20歳のニック・ダンラップが選出
2024年のPGAツアー『ルーキー・オブ・ザ・イヤー』はニック・ダンラップ(米国)に決定。19日、PGAツアーが発表した。 【写真】金谷拓実が“涙”のPGAツアーカード獲得! 本当は、アラバマ州大の2年生としての生活を送るはずだったダンラップの人生を変えたのは、1月のカリフォルニア州パーム・スプリングスで開催された「ザ・アメリカンエキスプレス」にスポンサー推薦で出場したことだった。 まだアマチュアだった20歳のダンラップは、3日目に「60」をマーク。アマチュア記録としてはパトリック・キャントレー(米国)と並ぶスコアでトップに立つと、最終日は逃げ切り、ツアー初優勝を果たした。アマチュアの勝利は1991年のフィル・ミケルソン(米国)以来、33年ぶりの快挙となった。 2021年に「全米ジュニアアマチュア」、23年の「全米アマチュア選手権」と2大アマチュア大会を制してタイガー・ウッズ(米国)に並ぶ記録を保持。同年、世界アマチュアランキング1位のダンランプだったが、この勝利でプロ転向を決断。「ぼくはまだ20歳。夢のなかで生きている」とツアー転戦を開始した。 プロ転向直後は予選落ちも続き、“順風満帆”とは行かなかったが、7月の「バラクーダ選手権」でツアー2勝目を挙げた。同一シーズンにアマ、プロとして勝利を挙げた初の選手が誕生。今シーズンは23試合に出場し、年間2勝を挙げて予選通過は15回、フェデックスカップ・ランキングでは49位に入り、来季は“シグネチャーイベント”への出場資格も得た。 ルーキー・オブ・ザ・イヤーはPGAツアー選手の投票によって決まるもので、今季15試合以上をプレーした選手が投票権を持つ。ダンラップはその57%の得票を獲得。「この賞は本当に特別」としみじみと語り「信じられない“旅”だった。こんなことが自分の人生に起きて、まだ信じられない。プロになったこの1年でたくさんのことを学んだ」と手渡されたトロフィーをしっかりと握りしめた。(文・武川玲子=米国在住)