2025年の天気傾向 冬は寒冬で夏は猛暑か メリハリのある天候になりそう
日本気象協会は2025年の天気傾向を発表。2025年は寒冬でスタートするものの春の訪れが早く、夏は猛暑傾向が予想され、メリハリのある年となりそうです。
2024年の振り返り 2024年は高温の年
2024年は、記録的な暖冬から始まりました。冬(2023年12月~2024年2月)の平均気温は1898年の統計開始以来2番目の記録となりました。 記録的な暖冬から一転、2024年3月は寒の戻りとなりました。近年の3月は顕著な高温が続いていたため、桜の開花も東日本や西日本では平年より早い3月中旬になることも増えてきましたが、2024年は平年より遅れたところが多く、東京では10年ぶりに3月末の開花となりました。寒さや雨により花粉の飛散も少なくなりました。 2024年夏(6月~8月)は、7月・8月の記録的な高温により、猛暑となった2023年夏に並んで1898年の統計開始以来、最も気温が高くなりました。北日本の高温が特徴的だった2023年と比べ、西日本の高温が際立った2024年は、全国の猛暑日観測地点数が累積で過去最多となりました。 2024年秋(9月~11月)は1898年の統計開始以来1位の高温となりました。特に9月と10月の全国の平均気温は、平年より2℃以上高くなりました。これは季節の進みが平年より半月以上遅れていたことを意味します。例年9月がピークとなる秋雨シーズンも秋の後半にずれ込み、10月から11月にかけて雨が多かったことも、2024年秋の特徴の1つです。
2025年の天気傾向 2025年はメリハリの年に
2025年の天気傾向を解説します。 暖冬や冷夏など、季節の特徴を左右するのが「エルニーニョ現象」「ラニーニャ現象」に代表される熱帯の海面水温の変化です。2024年は春にエルニーニョ現象が終息し、ラニーニャ現象の傾向に移行した年でした。 2024年12月現在、ラニーニャ現象発生の定義は満たしていませんが、海面水温や気圧の分布はラニーニャ現象に近い傾向になっています。2025年もしばらくはラニーニャ現象に似た特徴が続くと予想されます。 ラニーニャ現象は、夏は猛暑、冬は寒冬といったメリハリ型の天候をもたらす傾向があり、春や秋の過ごしやすい時期は短くなります。 2024年~2025年の冬は、暖冬となった前シーズンと比較して強い寒波の影響を受けやすいものの、後半は気温が上昇しやすく、春の到来は早いでしょう。花粉の飛散量も広い範囲で前シーズンより多い見込みとなっています。 2025年夏にかけては太平洋高気圧が強まりやすく、梅雨明けが早めで猛暑となり、秋は残暑が厳しい見込みです。 ただし、安定した夏空が続くとは限りません。梅雨明けが早い場合でも、その後戻り梅雨となり、一時的に長雨や低温となることもあります。 秋は残暑が厳しいものの、2024年に比べると寒暖の変化が大きくなる可能性があります。 週単位の極端な高温や低温、長雨などは、1か月前になると予想され始めるため、今後も最新の気象情報を確認するようにしてください。
日本気象協会 本社 安齊 理沙