火力発電の現状ってどうなっているの? 老朽発電所のトラブルは?
東日本大震災大震災をきっかけに、現在すべての原子力発電所が停止しています。その分、火力発電所がフル稼働して電力供給を支えているわけですが、火力発電の依存度はどれくらいまで高まっているのでしょうか? 火力発電の現状をみてみましょう。
化石燃料の依存度
火力発電を支える燃料は石炭、石油、天然ガス(LNG)といった化石燃料です。化石燃料の依存度は石油ショックがあった1973年に80%でした。 ここから原子力発電の比率が高まって行きます。その影響で、化石燃料への依存度は、2010年度に62%まで下がっていたのですが、震災後の2013年度は88%と石油ショックのときよりも高い依存度になっています。 ざっくりと6割から9割にまで化石燃料依存度が高まったと言えます。 この結果、額にして鉱物性燃料の輸入額は10兆円増加したと試算されています。また、原油の83%、LNGの30%を中東地域に頼っていますので、この地域が不安定になると、日本のエネルギー供給に大きな影響があると考えられています。
老朽化問題
現在、フル稼働している国内の火力発電所のなかには、40年以上も稼動を続ける老朽火力発電所があります。 老朽火力発電所は、震災前(2010年度)は53基でした。これが2013年度には95基まで増えました。特に沖縄電力を除く電力会社9社で36基だったのが67基まで増加しています。 老朽火力発電所のトラブルは震災前が101件だったのに対し、2013年度には169件に増えています。 また、不具合による停止を避けるために発電所を停止させることを「予防停止」と言いますが、運転期間が40年に満たない発電所では、予防停止件数は横ばいなのに対して、老朽化が進んだ発電所では増える傾向にあります。 エネルギー白書は「発電施設の故障などによる電力供給不足に陥る懸念が依然として残っている」と指摘しています。