婚活で苦戦するバリキャリ女性に共通する切実な「問題」 理想の結婚と現実のギャップが埋められない
ジェンダー平等という言葉を最近よく耳にするようになった。SDGs目標の1つで、1人ひとりの人間が性別に関係なく、平等ということだ。 テレビのワイドショーやトーク番組のMCも、男女の性差を伝えるような言葉は避ける傾向になっている。こうした世の中の動きは、婚活シーンでも、如実に反映されるようになった。しかし、家庭内でのイコールな立場を主張しすぎる女性は、婚活に苦戦しているのも事実。 仲人として婚活現場に関わる筆者が、婚活者に焦点を当てて、苦労や成功体験をリアルな声とともにお届けしていく当連載。男女はもちろん平等なのだが、結婚において平等の先にある“大切なもの”とは何かを考えてみよう。 【グラフで見る】結婚離れ加速?一生結婚するつもりはない」男女急増の実態
■「美味しいご飯を作って」はダメ? お見合いを終えたみきお(65歳、仮名)が、お相手女性のかなこ(55歳、仮名)について、こんな感想をもらした。2人ともシニアだが、お互いに初婚同士だ。 「彼女は、上場企業の部長さんで収入もしっかりある。なんで今さら婚活をしてまで結婚をしたいと思っているのかが、わからなかった。お見合いの席で、シニア婚の理想論を語っていましたが、私はそんな彼女にちっとも魅力を感じなかった」
彼女が考えるシニア婚とは、お互いがこれまで生きたうえで培ってきた経験や、価値観を認め合いながら、共有できる時間を一緒に楽しく過ごすということだそうだ。60歳の定年までは働くので、「それまでは家庭生活よりも仕事を優先させたい」とも言った。 「ニコリともせずに雄弁に語るんです。その後に、『あなたの理想の結婚とは、どんなものですか?』と聞かれたのですが、『奥さんには、美味しいご飯を作ってほしいです』なんて言ったらバカにされそうで、答えに詰まってしまいました(苦笑)」
昭和30年代生まれのみきおにとっての結婚生活とは、男性が経済的な主軸を担い、女性は専業主婦か簡単なパートをして子育てを担う、というのが一般的なスタイルだった。また、そういう親に育てられて大人になった。 子どもの頃に流行っていた昭和歌謡やテレビドラマも、恋愛や家庭生活における男と女の役割は、明確に分けられていた。男は男らしく、女は女らしくという言葉がまかり通っていた時代を経て、大人になったのだ。 一方、そうした時代背景の中で、かなこは男と肩を並べて会社で仕事をし、今のポジションを勝ち取ってきたのだろう。彼女の中には、夫のために尽くす妻の写像はないし、そうした結婚生活は望んでいない。