グーグルも注目、プロンプトエンジニアリングの最前線、「Prompt Poet」が示す可能性
Prompt Poetの核心とは
上記のf文字列を使った従来のプロンプトアプローチは、Prompt Poetを使うと以下のように変更することができる。 #######YAML – name: system_instruction role: system content: | あなたは{{ character_name }}です。以下の指示に従ってください。 指示: {{ system_instructions }} – name: user_history role: system content: | ユーザーの過去の対話: {% for msg in user_history %} – {{ msg }} {% endfor %} – name: current_context role: system content: | 現在の文脈: {{ current_context }} – name: user_query role: user content: | {{ user_query }} – name: character_response role: assistant content: | {{ character_name }}: ####### このPrompt Poetアプローチは、従来のf文字列を使用した方法と比較して、多くの利点をもたらす。まず、プロンプトの各部分が明確に分離され、構造化されていることが大きな特徴だ。これにより、プロンプトの構成要素を簡単に理解し、修正することが可能となる。YAMLの構造を採用することで、プロンプトの各部分が視覚的に区別しやすく、特に非技術者にとって理解しやすい形式となっている。 さらに、Jinja2のテンプレート機能を使用することで、条件分岐や繰り返し処理を簡単に組み込むことができる柔軟性も備えている。たとえば、user_historyの部分では、forループを使用してメッセージを列挙している。前述した通りf文字列では、プロンプト生成ロジックとデータ処理ロジックが混在してしまうため、複雑になりがちな処理となる。 各部分に名前が付けられているという特徴も重要だ。これにより、他のプロンプトテンプレートでこれらの部分を再利用したり、参照したりすることが容易になる。また、プロンプトの構造を変更する必要がある場合、関連する部分のみを修正すればよく、全体の構造を大幅に変更する必要がないため、保守性も高い。 さらに、各セクションにroleを指定することで、システム指示、ユーザー入力、AIの応答などの役割が明確になる。これは、複雑な対話システムを設計する際に特に有用だ。