「数秒の判断」はどうしたらできる?子供と一緒に備えるパニックにならないための“防災のコツ”
予測できる災害も「状況の変化」に注意
一方、台風や大雨などは近づく時期が予測できるので、事前に危険になりそうな物はどける、食料品を準備するといったことはしやすい。ただ、短時間で状況が変わりやすいともいう。 「自宅がすぐに冠水することもあるので、情報を入手できるかが、命を守れるかどうかに直結します。垂直避難する、大切な物は上階に移動させるなど早めの行動も必要です」 公式のニュースやラジオで正確な情報を集めつつ、防災アプリも活用してリアルタイムの状況を把握しよう。災害時は停電の可能性もあるので、充電切れにならないよう、スマホのモバイルバッテリーも用意しておくと安心だ。 このほか備えとして、自治体などが公表している「ハザードマップ」を参考に、居住地域ではどのような災害リスクがあるか調べておくと、いざという時に行動しやすいという。
子供との“防災ごっこ”で備えよう
子供は災害に遭遇すると、どうすれば良いか分からずに混乱することもある。そこで冨川さんが勧めるのが、普段の生活に“防災ごっこ”を取り入れることだ。 ・水道や電気、ガスを使わないで生活してみる ・非常食を食べる、防災グッズを使ってみる ・地震が今来たらどうするか、シミュレーションする こうしたことを遊びながら体験すると、災害時のストレスを軽減しつつ、焦らず行動できるようになるという。非常食や防災グッズのテストにもなるので一石二鳥だ。自宅周辺をピクニックしながら、避難所や危険な場所を確認したり、野山へキャンプに出かけて、天候の変化や電気がない生活を体験したりしてみよう。 また、災害時の子供は割れたガラスの上を裸足で歩くなど、予想外の行動で負傷することもある。これは「危険性を知らない・分からない」ために起きるので、日常でちょっとしたけがをした時に「どうしてこうなったか」を教えておくと、意識も変わりやすい。 「小さな切り傷などを負ったら『こういうので血が出ちゃうんだね、痛い思いをするんだね』などと声をかけてください。痛みや危険性は親が教えてあげられます」 子供は思うように行動できないと、パニックを起こす可能性もあるという。注意点やすべきことは理解しやすいよう、簡単な言葉や表現で伝えておくこともポイントだ。