ヴィッセル神戸 復活を期す菊池流帆&汰木康也 過密日程を戦い抜くキーマンとなるか
サッカー・J1のヴィッセル神戸は、9月中旬から10月上旬にかけて、J1リーグ戦、AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)、天皇杯という3つのタイトルに挑み、24日間で7試合を行う過密日程の最中。リーグ戦終盤を迎えるいま、まさに総力戦が求められていますが、ここでカギを握りそうな選手が、先日の22日に行われたJ1第31節アルビレックス新潟戦で躍動しました。 J1神戸、攻撃の“交通整理”担うアタッカー「中間役になることはすごく意識してプレーしている」 その1人が、この試合のヒーローになった、DF菊池流帆選手です。昨年3月に左ひざを負傷し、ほぼ1シーズンをリハビリに費やしたなか、81番という大きな背番号で再起にかける2024年、リーグ戦では、主に途中出場の役割に。そのなかでも、J1第24節名古屋グランパス戦で土壇場に一時勝ち越しとなるゴールを決めれば、第31節新潟戦でも試合終了間際にヘディングで決勝弾を記録。新潟戦直後のインタビューでは涙を見せる様子もありました。 名古屋戦や、80分から出場した第27節ガンバ大阪戦では、終盤の勝ち越し点をチームとして守り切れずにアディショナルタイムに失点。守備陣の1人として悔しい経験を味わった菊池選手。自身もガンバ戦後、出番を減らしていましたが、その間の心境を報道陣に問われた際には「こういう(苦しい)ときが一番、僕にとって大事な時期。こういった状況をどういうメンタルで乗り越えていくかというのが一番の課題」と、菊池選手は冷静にコメント。 結果にこだわるファイターは、新潟戦の決勝点を「ポジティブな要素」と捉えつつも、「切り替えて、(天皇杯準々決勝の)鹿島(アントラーズ)戦にすべてを懸けたい」と、中2日で迎えるカップ戦へ、すぐに照準を合わせていました。 さらに、過密日程のなか、チーム全体で乗り切る思いを聞かれた際には、「こうやって出場機会を得られた選手が全力で結果を出していかないといけないと思っている。過密日程だったら、僕ら出てない選手がチャンスをもらえる時間が多いですし、そこは(歯を)くいしばってやっていきたい」と、試合に飢えている81番はさらに気合いを込めていました。 一方、ヴィッセルのなかでもう1人、復活が待望されている選手が、MF汰木康也選手です。2022年にクリムゾンレッドの一員となったドリブラーは、リーグ戦でその年に32試合、昨シーズンは28試合に出場しましたが、今シーズンは度重なるけがの影響もあり、出番はわずか6試合にとどまっています。 それでも、ここにきて、ようやく戦線に復帰し、13日にタイで行われたACLE初戦、ブリーラム・ユナイテッドとのアウェイ戦で83分からピッチに立つと、リーグ戦で実に17試合ぶりの出場となった22日の新潟戦では75分からプレー。2-2になった直後の出場時、「『ここで(勝ち越し点を)取ったらヒーローだな』という気持ちで、ガンガン仕掛けようと思ってピッチに入った」と、強気な思いで臨んでいた14番は、左サイドから緩急をつけた独特のドリブルで攻め込むなど、徐々に”らしさ”を見せていました。 「去年からけがもあってコンディションがなかなか上がらず、今年も半年けがでほぼプレーしていなかったですが、久々にいい時の自分の状態に近くなってきたなっていう感覚がある」という汰木選手。「このまま、もうけがをしないように(したい)。コンディションも、あと少しのところのキレを出していければなと思うし、結果がついてくれば、コンディションももっと上がるんじゃないかなと思う」と、ここからの個人としての巻き返しを誓っていました。 クリムゾンレッドのサポーターからの人気も高い菊池選手と汰木選手。チームのムードを高めるため、タイトル獲得のためにも、彼らの活躍は、ここからさらに求められるはずです。その勇姿に期待せずにはいられません。 (取材:ラジオ関西『GOGO!ヴィッセル神戸』パーソナリティー・芥田愛菜美) ※ラジオ関西『GOGO!ヴィッセル神戸』2024年9月23日放送回より
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