中国経済の「日本化」を債券市場は警告-デフレに陥った日本と類似点
現在の中国とデフレ期だった日本の間には経済的な類似点があるものの、依然として多くの違いが残っているのも確かだ。
まず、中国人民銀行(中央銀行)は、日本の危機対応の特徴となった量的緩和(QE)や大規模な債券購入といった非伝統的な刺激策を実施していない。また、人民銀がイールドカーブをより適切に管理するための措置には、日本が行ったように長期金利を低下させるのではなく、高めに誘導することが含まれている。
さらに債券市場では、中国の期間短めの利回りは日本よりもはるかに高い。
アセットマネジメントOneの債券マネジャー、竹井章氏は「日本と同じような道をたどっている感じがする。ただ政治体制が違うので、その歩き方が違う」と指摘。人口動態など経済の課題が「ミルフィーユのように重なってしまっている」と述べた。
一方、ING銀行は中国の最新の刺激策が債券需要の鈍化と利回り低下を抑制するのに十分ではないとみている。つまり、現在の傾向が続けば、中国の利回りは日本の利回りを下回る可能性がある。
ING銀の大中華圏担当チーフエコノミスト、リン・ソン氏は「金利低下により銀行預金金利と債券利回りの差は再び拡大するだろう。そのため、短期的には中国の長期債利回りは低下傾向にあると依然として考えている」とし、「資金が債券に再び流入するだろう」と語った。
原題:China Bonds Flash ‘Japanification’ Warning Despite Stimulus Plan(抜粋)
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