東南アジアの種とは異なると感じていたが…研究する大学院生も驚いた、ヤッコエイ新種判定! 鹿児島大などの研究チーム
鹿児島大総合研究博物館などの研究チームは6日、日本本土沿岸や島しょ域に生息するヤッコエイが、アカエイ科の新種だったと発表した。東南アジアに生息する別の2種と混同されてきたが、形態や遺伝学的に異なることを証明した。1日付で日本魚類学会発行の英文誌に掲載された。 【写真】〈関連〉新種と判明したヤッコエイの標本を持つ畑瑛之郎さん=鹿児島市の鹿児島大郡元キャンパス
エイ類の多くは繁殖に時間がかかる上、乱獲の影響で国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種レッドリストに掲載されている。 新種と判明したことで、正確な資源量の把握や保全につながると期待される。 幅約40センチ、長さ約80センチで学名は「ネオトリゴン・ヤッコエイ」とした。東南アジアの2種と比べて体の表面にある斑点が少なく淡い青色で、尾の先端に白黒のしま模様があるのが特徴。現時点では日本近海でしか確認されておらず、東南アジアの2種は日本に生息しないことも分かった。元々の標準和名であるヤッコエイを学名に盛り込んだ。 エイ類の新種が判明するのは珍しいという。研究の中心となった鹿大大学院修士課程2年の畑瑛之郎さん(23)は「体の模様が東南アジアの種とは異なると感じて調べ始めたが、新種と分かり驚いた」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島