伊佐市政の課題は多岐に(2) 農業振興 高値も手放しで喜べず
南日本放送
今月10日に告示された鹿児島県伊佐市の市長選挙は、17日・日曜日が投開票です。 伊佐市長選挙に立候補したのは届け出順に、現職で2期目を目指す橋本欣也さん、新人で元市議会議員の森山良和さん、新人で元市議会議員の遠矢寿子さんの3人でいずれも無所属です。 【写真を見る】伊佐市政の課題は多岐に(2) 農業振興 高値も手放しで喜べず 特別支援学校が設置予定の伊佐市で発達障害の子どもを育てる家庭や、県内一のコメの産地の農家の話から市の課題を考えます。 (記者)「伊佐市といえば、県内有数のコメどころ。生産者はどんな現状に直面しているのでしょうか」 農林水産省の推計によると、県全体の2021年のコメの産出額は176億円で、このうち伊佐市は県内の自治体でトップの24億3000万円でした。 (伊佐市のコメ農家 前田英経さん)「農家にとっては最高の年」 伊佐市大口でコメを50年間、作っている前田英経さん(72)です。「令和のコメ騒動」とも言われた今年は品薄が続き、価格が上昇。前田さんが出荷しているJAが農家に支払う価格は、去年は30キロで6700円でしたが、今年は2倍近くの1万3400円まで上がり、過去最高となりました。 ただ、生産者にとっては手放しで喜べない現実もあります。 (伊佐市のコメ農家 前田英経さん)「とんとんで今まで来た。ギリギリで。機械代とか肥料、農薬とか。あらゆるモノが上がってきた」 伊佐市内でも規模が大きいという50ヘクタールでコメを作る前田さんの自宅には、高額な機械が並びます。 (伊佐市のコメ農家 前田英経さん)「これが1900万円。(Q.そのうち補助は出る?)出ない。実費。4~5年前に購入した。(Q.故障したら?)修理費は自分で払う」「今年は(機械を)2台を換えた。1台が330万円。2台だから660万円。新品」 今年は高値でコメが売れましたが、肥料代や資材代の高騰が続いているため、これまでに購入した機械代などの返済額を差し引けば、採算はギリギリだと言います。 Q.手広く生産している農家でも自転車操業? (伊佐市のコメ農家 前田英経さん)「ですよ」