SNSマーケの次なる狙い目はYouTubeショート? 米コスメブランドの再生回数が急増
短尺動画プラットフォームの先駆けであるTikTokの安全保障上の理由による利用禁止が議論されている今、米国ではYouTubeのショート動画機能(以下、YTショート)が注目を集めている。 【画像】SNSマーケの次なる狙い目はYouTubeショート? 米コスメブランドの再生回数が急増
YTショートは77%の高視聴維持率
YTショートの平均再生回数は、TikTokやインスタグラムのリールといった他のプラットフォームにおける短尺動画と比べると1/3程度ではあるが、ビジュアル・マーケティング・ソフトウエアを開発するダッシュ・ハドソン(DASH HUDSON)のデータによると2023年の10~12月は前年同期に比べ24%増加している。TikTokとインスタグラムのリール機能はそれぞれ同18%減、3%減だった。また美容ブランドのコンテンツにおける視聴維持率は、TikTokが29%だったのに対し、YTショートは77%と高かった。
一方で、多くの美容ブランドが採用しているインスタグラムのリールの人気は安定しており、1投稿あたりの視聴回数は平均9万543回と、TikTokの9万3071回とほぼ同等。ダッシュ・ハドソンのクイン・ヨン(Quinn Yung)顧客インサイトマネージャーは、「YTショートを利用している美容ブランドは、TikTokやリールを利用する美容ブランドよりもはるかに少ないが、早期に参入したブランドは今急成長している」と話す。「24年の1~3月にはYouTube上でコンテンツを発信する美容ブランドが3.1%増加。20年の歴史を持つプラットフォームとしてはかなり大きい数字だ。YTショートが成長をけん引している」と分析する。
高再生数は韓国発「ラネージュ」
インスタグラムとTikTokの両プラットフォームで高い再生数を誇るのは韓国の化粧品ブランド「ラネージュ(LANEIGE)」。YTショートで確立した成功の恩恵を受けているブランドの一つだ。またYouTubeの全盛期を過ぎた頃である17年にリアーナ(Rihanna)がローンチした「フェンティ ビューティ バイ リアーナ(FENTY BEAUTY BY RIHANNA)」が継続的に伸びているのは、長尺動画で培ったノウハウを微調整しながら、YTショートにも投資してきたことが大きい。