新生「神戸BAL」が開業へ、深澤直人が手掛けた“ここだけ”の無印良品が誕生
神戸BALが、大規模改装を終えて10月25日にリニューアルオープンする。オープンに先駆けて、メディア向けに内覧会が開催された。 【画像】無印良品の「木金土」を神戸BALのために深澤直人が再解釈した店舗。
神戸BALは、1994年に神戸・元町に開業し、今年で開業30周年を迎えた。外観は、神戸元町のシンボリックな存在になるべく「港町に佇む洋館」をイメージしてデザイン。ホワイトとグレーを基調とした落ち着きのある雰囲気に仕上げた。内装も同様に、クラシカルでありながら現代的なエッセンスを取り入れた開放的な空間を目指したという。 ◆深澤直人がディレクションした“限定デザイン”の無印良品 4階から6階までの3フロア構成で展開している「無印良品 神戸BAL」は、同館の大改装にあわせて大幅なリニューアルを実施。 内装デザインは、無印良品のアドバイザリーボードも務めるプロダクトデザイナーの深澤直人がディレクションし、「上質な購入体験の提供」を目指して刷新。従来の空間デザインのコンセプトである「木金土(木材、メタル、土・石を基本的なマテリアルとして設定する)」の考え方をベースに、「神戸BALにふさわしい木金土」を再構築したという。従来よりもトーンを落とした濃茶の木質(木)をあしらった什器を広い面で展開して小物類を陳列し、商品を引き立て空間を引き締める黒いスチールでアクセントを加えた。クラシカルなレンガ(土)を柱と壁面に用いることで親しみ感のある上質でシンプルなデザインを追求したという。3フロア合計の売場面積は、従来から約60平方メートル増床した約1833平方メートル。なお、深澤によるディレクションはBAL側からの働きかけにより実現したもので、同デザインを他店舗に展開する予定はなく、神戸BAL店限定となる。 4階には食品、キッチン用品・食器、掃除・洗濯用品、文房具、収納用品、トラベル用品をラインナップ。5階では、ヘルス&ビューティ、タオル、バス用品、メンズウェア、ウィメンズウェアに加え、神戸で初めて「MUJI Labo」を取り扱う。6階にはベッド・寝具、リビング・カーテン、照明を揃えるほか、「Cafe&Meal MUJI」を併設。生活用品や人の高いヘルス&ビューティの取り扱い数を強化することに加え、通常よりも落ち着きのある上質な空間によって、衣料品カテゴリの商品をより「良く見せる」戦略で売り上げ増を狙う。 Cafe&Meal MUJIは、ホワイトを基調とした内装に変更し、旧来よりもゆとりのあるソファ席やカウンター席を用意することで席のバリエーションを拡充した。カフェメニューは以前までのデリスタイルから、麺類やパンケーキといった軽食に変更。同館の無印良品で購入した食品を持ち込むこともできる。北海道、茨城、広島で導入されているコーヒーとアイスクリームの提供も行うことで、幅広い年代の層が集まるコミュニティスペースとしての運営を目指すという。 ◆コスメブランドを強化したブランドラインナップ ビューティ&ライフスタイルフロアを再編成した1階には、「ル ラボ(LE LABO)」、メゾン マルジェラ「レプリカ」フレグランス、「サンタ・マリア・ノヴェッラ(Santa Maria Novella)」を新たに誘致したほか、既存の「バウム(BAUM)」「ジュリーク(Jurlique)」「ニールズヤード レメディーズ(NEAL’S YARD REMEDIES)」「スリー(THREE)」を移転改装する。サンタ・マリア・ノヴェッラの店頭には、ブランドとして世界で初めてシンク設備を導入し、ハンドソープやクレンジングジェルといったアイテムのテストが可能に。28日までの4日間限定で製品への刻印サービスも受け付ける。 2階には、日本最大の売場面積を持つ「モルトンブラウン(MOLTON BROWN)」、神戸の港町と日本のイメージを取り入れた淡路瓦を使った店頭デザインが特徴な「イソップ(Aēsop)」、カフェスペースを併設した「マリアージュフレール(MARIAGE FRERES)」、「ジョン スメドレー(John Smedley)」が入居。地下1階に出店する「ワフト ヴィンテージ(Waft. VINTAGE)」は、売場面積を拡大し、ヴィンテージに特化したラインナップにリニューアルした。 なお、改装を経て新たに、BAL本館と隣接するBALの関連施設「ANNEX I」を繋ぐ道がBAL本館南側に誕生。BALは、フランス語で「舞踏会」を意味することから、この通りは「RUE DU BAL(リュ・デュ・バル=舞踏会通り)」と名付けられた。神戸元町の一角が“BALの街”となり、街並み全体でBALの世界観を表現していくという。